国内

菅首相「4月自爆解散」なら超短命の麻生暫定政権へたらい回しか

4月解散ならどんなシナリオが待ち受ける?(時事通信フォト)

4月解散ならどんなシナリオが待ち受ける?(時事通信フォト)

 菅義偉・首相は安倍晋三・前首相との会談(3月29日)の後、議員会館の安倍事務所の前で待ち受けていた30人近い記者たちに囲まれると「内政、外交について意見交換した。非常に有意義だった」と語った。

 訪米を前に「外交が苦手」とされる首相が安倍氏に外交上のアドバイスを求めたのはわかる。だが、わざわざ「内政」についても話し合ったとリップサービスしたことで、永田町は、すわ解散総選挙かと浮き足立ち、「4月30日解散、5月23日投開票」といった選挙日程が流れている。

 しかし、安倍氏は「五輪まで」という期限付きで菅首相を支える意向であるとも言われている。裏を返せば、自分が誘致した東京五輪を成功さるまでは「菅続投支持」だが、その後はフリーハンドを持つという意味に捉えることもできる。この点については、麻生太郎・副総理とも合意しているようだ。

 つまり、安倍氏は、菅首相が五輪を花道に退陣すること想定し、その後の総理人選について、麻生氏と話し合っているという状況にある。そして、その先にあるのは、自身の「政治的復権」だ。

 では、もしも菅首相が本当に「4月解散」に踏み切った場合、安倍氏はどう出るのか。

 当然、「五輪までは菅を支えるが、その後はフリーハンドで総裁選に臨む」という安倍・麻生合意は反故になるとみていい。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。

「総理が解散の決断をすれば、前総理も副総理にもそれを止めるのは難しい。安倍氏は、菅首相が“自爆解散”を選択するならそれもやむを得ないと考えて、復権に向けた動きを急いでいるのではないか」

 だが、コロナの感染が再び拡大する中で五輪を開催するといっている当の菅首相が、ワクチン接種も進んでいないのに保身のために五輪直前に解散して政治空白をつくれば、有権者の強い批判を浴びるはずだ。

「自民党は大きく議席を減らす可能性が高い。仮に、自公で過半数を維持できて菅氏が首相に居座ろうとすれば、確実に党内から菅おろしが起きる。そのとき、背後で菅おろしの糸を引くのは安倍氏と麻生氏でしょう」(野上氏)

 菅首相の“自爆解散”で、菅と安倍の戦いが始まるという指摘だ。そうなれば、党内基盤が弱い菅首相には圧倒的に不利だろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン