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日本インシュレーション:ファンダメンタル良好な割安銘柄

日本インシュレーション(5368):市場平均予想(単位:百万円)

日本インシュレーション(5368):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 日本インシュレーション(5368)は主に高い耐熱性能を有するゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とした耐火・断熱材料の製造・販売・施工を行っています。

 展開する事業は、耐火被覆材や内装仕上材等の販売・施工を行う「建築関連事業」と、保温材の販売・施工を行う「プラント関連事業」の2つ。それぞれの売上構成比は39%、61%となっています(2020/3期)。

 建築関連事業は、主に高層ビルや商業施設、物流施設などに対し、耐火被覆材や内装仕上げ材等の販売と施工を行っています。

 耐火被覆材は、火災時に構造部材を火災や熱から守り、建物の倒壊を抑制する役割を担うとされます。建築基準法に基づく耐火構造認定を取得しており、オフィスビルやショッピングモール、物流施設や工場、空港や駅などに採用されています(具体的な施工例では、東京スカイツリーの丸柱耐火被覆や赤坂Bizタワーの角柱・丸柱耐火被覆などがあります)。

 プラント関連事業は、電力・石油・鉄鋼などのプラント施設に対し、保温材や鉄骨耐火被覆材等の販売・施工を行っています。発電所や石油精製・化学工場などでは機器や配管を数百度の蒸気や流体が通ります。その機器や配管を被覆し、内部の熱を逃さないようにする(=省エネに貢献する)製品を展開しています。

 自社生産した材料を用いて施工まで一貫提供しており、ビルやプラントの耐火・保温工事を丸ごと請け負うことができる体制を構築しています。この一貫体制は、顧客との関係強化(設計段階から関わる)自社生産により製造原価を低減できるうえ、材料製造の段階から施工の生産性を向上させる計画も立てられるため、営業利益率が13%と、同業の中でも高い収益性を実現しています。

注目ポイント

 足元2021年3月期第3四半期の業績は、コロナの影響を受けながらも、底堅い需要を下支えに工事売上によって増収を確保しています。同時にコスト管理によって営業増益を達成しておりプラスに評価されるところです。

 同社の売上は、プラントの新規建設や定期修繕工事、建築着工や物流施設案件の増減によって上下するため、新型コロナ感染拡大により企業投資が抑制された今期においては、前期にあった高採算の大型物流倉庫向け案件や大型定期修理工事や電力発電設備の案件などが剥落した影響を受けました。ただ、延期された案件は来期2022年3月期に戻ってくる見込みであり、根強い需要の上に加算されていく見通し。今期経常のベトナム子会社の減損計上もなくなるので、最終利益も押し上げられることになります。見通しは明るいと感じられます。

 同社は、「シェアトップのポジション+100年来で積み上げてきた安定した顧客基盤+定期修繕工事需要という安定需要基盤」から成る“安定”のキャッシュ創出基盤を持っています。と同時に、株式公開で得た資金を基に海外展開の強化や更なる省エネ性向上など次世代にむけた新製品開発を進めていく方針としており、投資の対象として見られるべき要素を揃えていると思います。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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