芸能

『ラヴィット』、視聴率上がらないのは当然 視聴習慣の壁と今後の期待

新たな「朝の顔」に(TBS『ラヴィット』番組ホームページより)

苦戦が続くが今後は?(TBS『ラヴィット』番組ホームページより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、リニューアルした朝の情報番組について。

 * * *
 各局、大幅に変わった感のある朝ワイドに関し、その視聴率から「勝ち組」「負け組」などと評する週刊誌やネットニュースは多い。
 
 それぞれ初回に“ご祝儀”数字が加算されたことに間違いはないが、それ以降の数字については、1週間や2週間で大きく動くことはあるまい。“視聴習慣”というのは、そう変わるものではないからである。

 そして“天候”だ。早朝の番組は別として、9時台~10時台に差し掛かると、生ワイドの数字は天気によって大きく左右されるものだ。晴れれば洗濯をしたり、外出したりする人が増える。雨ならば逆となり、数字は微増する。このポイントに言及している紙メディアはほとんどないのだが、朝ワイド、昼ワイドのスタッフは、天気の良し悪しで、だいたいの数字が読めてしまうものなのである。

 話を視聴習慣に戻そう。新番組がスタートしたからといって、それまで馴染んできた局から他局へとチャンネルを変えるという家はほとんどないだろう。

 よって、オープニングテーマとコメンテーターを少し入れ替えたぐらいの『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)や、女性アナウンサーが水卜麻美アナから岩田絵里奈アナに替わっただけで構成やネタ選びに大きな変わりがない『スッキリ』が今のところ安泰なのは当たり前のことだ。

“小室圭さん”も“コロナ”もやらない『ラヴィット』の今後は?

 では、店構えを変えた2番組はどうか。まず、ワイドショー的なネタを一切やらないと宣言して始まった『ラヴィット』(TBS系)。記事によれば「一人負け」だというし、“コロナ”や“小室圭さん”など、数字をもっているネタをやらないというなら、数字が上がるのには少々時間がかかるかもしれない。とはいえ、スタートしたばかりなので、コンセプトを頑なに変えないのは当たり前。「マスターズ」で松山英樹プロが優勝したのに、拍手と短いウケと丸山桂里奈のコメントだけで予定通り「ファミマのスイーツ」ネタに入ったことには少々驚かされたが、同日の世帯平均視聴率は番組最高の5.6%(ビデオリサーチ・関東地区)が出ている。

 裏の『めざまし8』でMCの谷原章介が番組冒頭に松山英樹のことを口走ったことで、それほどゴルフに興味がない視聴者がチャンネルをTBSに合わせたことは間違いない。それでも松山で引っ張ることはしなかった『ラヴィット』だったが、新規の視聴者の中に少しでも翌日以降のお客が居てくれたらと願わずにはいられない。

 それにしても、同番組については、視聴率について取りざたされ過ぎているように思う。朝ワイドの長い歴史を紐解けば、最下位だった番組が、やがてトップ争いに加わるというのも珍しいことではない。麒麟の川島明と田村真子アナウンサーのコンビは決して悪くない。『はなまるマーケット』のように成長してくれたらと個人的には応援している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト