国内

公衆衛生専門家に調査 過半数は「移動制限が解けるのは2024年末」

緊急事態宣言が終わり、次はまん延防止措置

緊急事態宣言が終わり、次はまん延防止措置(時事通信フォト)

 3月下旬、1都3県で2度目の緊急事態宣言が明けると、年度末ということも相まって、国民の気は一気に緩んだ。いまや1日の新規感染者が大阪で1000人、東京で500人を超えるなど、大都市を中心に“リバウンド”し、行動制限をともなう「まん延防止等重点措置」が始まった。まったく収束しないこのコロナ禍。この状況があと数年続くという見方もある──。

 最初の緊急事態宣言から1年が経つが、コロナ感染拡大と行動制限、緩和、そしてまた感染拡大を繰り返し、出口なき無限ループに陥っているようにうつる。

「政府が経済対策と感染対策のどちらを重視するか、常に優柔不断であったことは否めません。東アジア圏は欧米諸国に比べて感染者や死者が少ないとはいえ、決断できない政治がコロナにすぐ勝てるとは思えない。さらにオリンピック開催に追われていますし、今後も感染拡大の負のサイクルから逃れられないでしょう」(全国紙記者)

 この状況はいつまで続くのだろうか。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが語る。

「この先3~5年は自粛生活が続く可能性があります。関西で流行している変異株のように、ウイルスは変異を繰り返し、人間の免疫や防御態勢を潜り抜けて侵入してきます。特に新型コロナはこの半年で世界中に多くの変異株が出現し、そのなかでも感染力が強く進化したウイルスが生き残っている。長期戦を覚悟する必要があります」

 米カリフォルニア大学アーバイン校准教授で公衆衛生学を専門とするアンドリュー・ノイマーさんは「キーポイントはワクチンの普及」と指摘する。

「ワクチン接種によって国民の多くが免疫をつけることができれば、集団免疫を獲得することができます。そうすれば、コロナから完全に解放されずとも、季節性インフルエンザのような存在になっていくでしょう」

 アメリカ政府のコロナ対策チームの1人は地元メディアに「人口の7割から9割が免疫を持てば『集団免疫』と呼ばれる、感染が広がりにくくなる状態になるだろう」と語っているが、いまだワクチン接種率1%の日本にとっては、相当の時間が掛かると予想される。

「三菱総合研究所は3月末、感染症や公衆衛生の専門家20人以上に対して、今後の見通しを聞き取り調査した結果を発表しました。『移動の制限がなくなるのはいつからか』という質問に対して、過半数が答えたのは2024年末。つまり、あと3年以上はがまんするしかない、というのが専門家の意見なのです」(前出・全国紙記者)

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン