「日本ワイン」の良さをもっと伝えたい
――サントリーワインインターナショナルの社長として、自分の代でこれは成し遂げたいという目標はありますか。
吉雄:扱う商品がワインですので、“正統”や“本格”というキーワードを引き続き大事にしつつ、「ワインサワー」に代表されるような気軽に手に取りやすい商品も出していきたいです。美味しさや高い品質は維持しながら、もっとカジュアルなワイン文化も確立させたいと考えています。
もう1つは日本ワインのさらなる普及です。最近は日本産からワインを飲み始める若い方も増えており、ワインの地産地消的なありようや作り手の顔が見える商品として、私自身、ワインっていいなと思っています。
当社の「登美の丘ワイナリー」(山梨県甲斐市)も栽培に適した素晴らしいロケーションで葡萄作りをしており、そうした日本ワインの良さもしっかりと伝えていきたいですね。
――吉雄さん自身、社長に就任されて以降はもっぱらワイン党ですか?
吉雄:ビールのように喉ごしを感じて飲む習慣が身に付いてしまっているせいか、ワインを飲む際、少しせっかちな飲み方の癖はあるかもしれませんね(笑い)。そこは時間をかけて修正していき、個人的にも「ワインサワー」で気軽に楽しみ、本格的なワインはゆっくり、味わいながら飲みたいと思っています。
サントリーワインインターナショナルの吉雄敬子社長
【プロフィール】
吉雄敬子(よしお・けいこ)/1991年サントリー株式会社入社。ビール事業部ブランド戦略部を経て、2013年サントリー食品インターナショナル食品事業本部ブランド戦略部部長。2014年からは再びサントリービールのブランド戦略部に所属し、2019年同社ブランド戦略部長。2021年1月よりサントリーワインインターナショナル社長に就任して現在に至る。
●聞き手/河野圭祐(経済ジャーナリスト)