国際情報

世界各国で「祝日変更」の動き コロナ感染拡大を封じ込めることはできるのか

2年続けて「楽しくない」GWが訪れようとしている日本(2020年5月の博多駅/時事通信フォト)

2年続けて「楽しくない」GWが訪れようとしている日本(2020年5月の博多駅/時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの第4波が猛威を振るっている。ワクチン接種が開始されても感染の収束が見通せない状況が続き、“全然楽しくないゴールデンウィーク”も現実味を帯びてきた。「いっそ連休がなくても構わない」との声も出る中、一部の国では祝日を変更する動きが出ている。果たして祝日変更で感染拡大を封じ込められるのか──。その効果について、ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。

 * * *
 新型コロナは、イスラエル、イギリス、アメリカなどでワクチン接種が進み、感染がやや落ち着いてきた。一方、インドやブラジル、ヨーロッパの大陸諸国では、感染力が強いとされる変異ウイルスが猛威を振るっており、感染者数や死亡者数の増加が止まらない。

 日本でも3月に緊急事態宣言が全面解除されたものの、4月に入って首都圏や関西圏に感染拡大の波が押し寄せており、まん延防止等重点措置の対象地域が増やされたうえ、3度目となる緊急事態宣言の発令も視野に入ってきた。

 4月12日より65歳以上の高齢者へのワクチン接種が始まっているが、ワクチンの輸入量が限られており、接種を受けた人はごく一部にとどまっている。

 そうした中、海外ではコロナの感染拡大をコントロールするために、祝日を変更する動きがみられる。祝日を減らす国もあるが、むしろ増やして連休をつくることで、外出自粛を促そうとする国が多いという。いったいどういうことなのか、見ていくこととしたい。

世界各国の新型コロナの累計感染者・死亡者数

世界各国の新型コロナの累計感染者・死亡者数

休日を増やして外出自粛を促す狙い

 当たり前のことだが、平日と休日では人々の行動は大きく異なる。コロナ禍で、テレワークの取り組みが進んだとはいえ、平日朝の通勤・通学ラッシュ時は、相変わらず電車の車内は混雑している。小売業や建設業など、出勤しないと仕事にならない業種も多くあることが要因の1つと考えられる。

 一方、休日は、人々の外出抑制の余地が大きい。昨年の緊急事態宣言期間中のように、不要不急の外出自粛が進めば、感染を抑止することが可能だ。ただし、今年の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間には、外出自粛があまり進んでおらず、感染抑止の効果が薄れているものとみられる。

 また、休日にイベントや行楽を行うと、人々が集まって「密」が生じてしまう恐れもある。したがって、感染拡大防止のためにはイベント開催や行楽を制限することが条件となる。

 では、感染封じ込めのために、平日を祝日(休日)に変えて、人々の外出自粛を強く促したらどうか? 実際に日本では、昨年5月に、平日の7日と8日を休暇とすることで、5連休(5月2日~6日)を9連休(5月2日~10日)に拡大して、出勤の機会を減らすよう、政府から経済界に提案されていた。

 ただ、このときは、東京五輪・パラリンピック特措法で規定する「国民の祝日に関する法律の特例」のような、法律に基づく祝日の変更までは行われなかった。一方、海外では、本当に祝日を変更してしまう動きがみられる。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン