ターゲットは「ジェネレーションC世代」
派手系から地味系へと一大転換を図った第2世代ヴェゼル。その狙いは何か。開発責任者の岡部宏二郎氏はプレゼンテーションで、
「コンセプトは“アンプ・アップ・ユア・ライフ(あなたの人生を盛り上げる)”。ジェネレーションC世代がターゲットです」
と語った。このジェネレーションCこそが、意図を解き明かすキーワードのひとつである。これはアメリカで生まれた造語で、コンピュータやスマホを駆使し、他人とのつながり(コネクト)を重視し、物事をクリエイトし、チェンジを志向する、比較的若い世代を指す。
このくくりに限らず、40代以下のユーザー層は基本的にクルマを自己顕示欲を満たす道具として考えていない。都市部ではそもそもクルマを買わないというケースが多いが、クルマを所有する場合も移動や遊びの道具として使い倒すのが一般的だ。
ならば、性能・機能が近似したクルマであれば何でも同じようなものだと無作為に選ぶのかというと、案外そうではない。セールストークに乗せられて大したことのないものを買わされることに対する抵抗感が非常に強く、せっかくなら良い買い物をしたいと考える傾向がある。これはクルマに限らず、多くの分野のマーケッターが口を揃えるところである。
第2世代ヴェゼルがプレスラインを駆使したクーペルックから地味っ子デザインに転換したのは、ジェネレーションCをはじめとする若年層への取り込みへのチャレンジなのだ。もちろん第2世代ヴェゼルがそういう商品になっているかどうかは未知数。実際に若年層ユーザーにどのくらい売れるかが開発陣にとっては重要な通知表となろう。