もちろん明菜に悪意があったわけではないと、当時、彼女の担当プロモーターを務めていた作家の沢里裕二氏は語る。
「中森が聖子さんを意識したことは一切なく、本人にすれば“なんで比較するんだろう?”という感じだったと思います。完全に“松田聖子”を演じることができるのが聖子さんで、一方、中森は古くさいアイドル像に不満を持ってセルフプロデュースを始めた。大衆が求めるものを本能的に理解できる聖子さんに対して、中森はその大衆を裏切ろうとしていた」
何もかも対照的な2人だからこそ、国民を二分する人気を得られたのだろう。
※週刊ポスト2021年4月30日号