鶴岡、金城を失った中畑DeNAの苦労
2013年オフには、阪神からFAで久保康友を獲得する際、36歳の鶴岡一成をプロテクトせず、人的補償で移籍した。同年、鶴岡はDeNA捕手の中で108試合と最も多く出場していた。捕手層の薄くなったチームは翌年、正捕手の黒羽根利規がケガすると、1軍レベルに達していない選手を起用せざるを得なくなった。
「ベテラン捕手がライバルチームに移籍したこともあり、阪神との対戦成績は2013年の14勝10敗から2014年には8勝16敗と大幅に負け越しました。これが12勝12敗のタイだったら、DeNAはこの年、クライマックスシリーズに進出できた可能性がありました」
2014年の夏場には調子の上がらない38歳の金城龍彦に対し、球団は引退勧告をした。金城はFA宣言をして巨人に移籍し、翌年の古巣との初対戦で決勝3ランを放つなど、手痛い“恩返し”を受けている。
「中畑清監督4年目の2015年、DeNAは5月を終えて首位。交流戦で大失速したものの、前半戦を1位で折り返した。しかし、後半になると勝てなくなり、最下位に沈んだ。もしベテランの鶴岡や金城がいたら、もう少し違う展開になっていたと思います」
昨年オフ、DeNAは野手最年長のホセ・ロペス(37歳。2020年末時点の満年齢。以下同)、投手最年長の藤岡好明(35)、日本人野手最年長の石川雄洋(34)に戦力外通告をした。
「藤岡は1軍4試合登板、石川は1軍出場なしですから、妥当な判断でしょう。しかし、なぜロペスを解雇したのか。昨年11月に国内FA権を獲得したため、今年から外国人枠を外れ、日本人選手と同様、自由に起用できるというという待遇を得ていたのです」
ロペスと再契約すれば一石三鳥?
三原球団代表は会見で、「(ロペスは)チームの相談相手やムードメーカーだったので感謝しています」と称えた一方で、「レギュラーで出ることに強い意識を持っている。そういう観点で構想から外れてしまった」と解雇の理由を明かした。