「どちらも手に職があるのがよかったんです。寄りかかられなさそうって(笑)。建築をやっている彼女はマイペースで、ゴルフとスキーがうまくて、スポーツの趣味が合うタイプ。美容師の彼女は、スポーツには興味がないんですが、おしゃれで僕の服を選んでくれたりと、今までになかった世界を見せてくれる人。僕は年齢にはあまりこだわってなかったんですが……結局、見た目が好みだった美容師の彼女と付き合うことにしたんです」
見た目で選んでしまったのかな、という後悔
コロナの影響もあって、デートはもっぱら互いの家になった。年下だが、しっかり者で長女気質の彼女は、面白いYoutubeを教えてくれたり、部屋の模様替えをしたり、ベランダで食事をしたりと、“おうち時間”を充実させるのがうまかった。「外に出たいタイプの俺は、彼女のおかげでステイホームできました」と、夏樹さんは感謝する。
だが、問題が勃発した。付き合って3か月が経った頃、彼女が仕事を辞めたいと言い始めたのだ。コロナが怖いから、当面、家にいたいと。と同時に、結婚を迫るようになってきた。もともと婚活で出会っている二人だ。結婚を前提として付き合っている、という共通認識はあったものの、夏樹さんは3か月では早すぎると感じた。
「コロナが怖いという彼女の気持ちはわかります。僕はリモートワークできていたから、接客業へのリスペクトもあるつもりです。でも、退職と結婚がセットになってるのが気になって……。落ち着いたらまた働くつもりだ、とは言っているものの、疑ってしまったというのが正直なところです」
次第に夏樹さんの心に広がっていったのは、建築家の彼女にしておけばよかった、という後悔だった。そうなると、もうだめだ。
「結局、見た目で選んでしまったのかな、という後悔が、どこかにありますね……。もちろん見た目も大事なので、まあ、後悔はしているけど、次に生かせばいいかなと。がんばって、また婚活します」
婚活市場での勝ち組に、真の幸せはやってくるのか。夏樹さんは美容師の彼女に別れを告げ、心機一転、新しいマッチングアプリに登録したと語ってくれた。