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2021.05.12 15:00  マネーポストWEB

気づけば700万円も… ゲーム廃課金の“沼”から抜け出した人たち

どうやったら廃課金から脱出できるのか(イメージ)

 コロナ禍、スマホゲームのプレイ時間が増えたことで、課金してレアキャラやアイテムをゲットして楽しんでいる人もいるだろう。もちろん、適度な課金額であれば“趣味の範囲”として扱えるが、課金のしすぎで生活に支障を来すようになると大変だ。

 SMBCコンシューマーファイナンスが今年1月に発表した「20代の金銭感覚についての意識調査 2021」によると、20 代でゲーム課金している人は 12.2%。平均課金額は月に 4191円だった。ゲームに課金しすぎて生活に困ったことがあるという人も10.6%に上った。

 実際にゲーム課金の“沼”にハマった人に、その状態に陥ったからこその気づきや、どうやって抜け出したのかを聞いてみた。

「『Appleからの領収書です』という件名で送られてくるメール、そしてクレジットカードの請求額が怖くて仕方がありませんでした」

 課金沼にハマっていた当時をそう振り返るのは、不動産業界で働く30代の男性会社員・Aさんだ。2018年頃からスマホゲームに熱中し、現在までのトータルの課金額は約700万円。約3年もの間、やめたくてもやめられず「地獄のようだった」と話す。

「そもそもガチャで爆死(欲しいものが得られないこと)は、ありませんでした。出るまで引くからです。複数ゲームをプレイしていたので、毎月15万円以上はかけていましたね。数秒で数万円が溶けていく感覚は何とも言えません。終わった後、このお金があれば何が買えた、と考えて虚しくなることはしょっちゅうで、時々、止めようと思ってアプリを消去するんです。でも、翌日には運営会社に問い合わせしてアカウントを復旧してもらい、“アカ復旧記念”と称して、また課金をしている自分がいました」(Aさん)

 Aさんは少しでも月額の負担額を軽くしようと、クレジットカードのリボルビング払い(リボ払い)に手を出した。複数枚のクレジットカードを使い分け、上限額まで使ったことも何度もあった。Aさんは、「不正利用だと思われてクレカ会社から連絡が来たこともあった」と振り返る。現在でも100万円ほどリボ払いが残っており、返済中だ。

 そんなAさんは、現在もゲームに課金しているものの、月額5000~1万円にセーブできるようになったという。Aさんは、「プレイと課金を共存させる道を選んだ」と言い、課金に依存しないゲーム1作を、細々とプレイしている。脱・廃課金には、ある“リハビリ”が功を奏したという。

「気が付くと、生活面でガチャ以外にお金をかけなくなっていたことに気づいたんです。そこで、試しに1万円の家電をめちゃくちゃ悩んだ末に買ってみたら、ものすごく気持ちが充足したし、生活が豊かになりました。同じ1万円でも、ガチャならためらいもなく出していたのですが、ただお金を“捨てた”感じしか残らない……。感覚が異常になっていたことを痛感しました。金銭感覚の“バグ”を修正することが大事でした」(Aさん)

◆彼女から「2次元か私か、どっちを選ぶの?」

 課金をまったくしないで「課金絶ち」したという人もいる。IT企業に勤める20代の男性会社員・Bさんだ。当時、課金のしすぎで家賃が払えなくなり、恋人の家に転がり込んだうえ、ゲームに課金し続ける「クズみたいな男」だったと振り返る。

「手取りが月に20万円くらいなのに、25万円課金することもありました。そんなことが何か月も続いて貯金も底をついてしまい、彼女の家に住み付いてスマホゲームに熱中。画面の向こうの“彼女”が可愛くて、複数のアイドルや音楽ゲームで“浮気”していました」(Bさん)

 2年間で課金額は約400万円ほどに膨らんだ。その頃には会社に給料の前借りをするようになり、職場にも異常な課金がバレていたという。その状態で“リアル彼女”とは婚約していたというから驚きだ。ただ、Bさんと恋人は同じ会社で働いていたことから、自然と彼女の耳に入り、リアルな修羅場を迎えることになった。

「『2次元か私か選んで』と突きつけられました。ゲーム内の“推し”と別れるか、婚約破棄かを迫られたわけですが、そこはリアル彼女を選びました。そして彼女の立会いのもと、アプリをアンインストールすることに。400万円が一瞬にして消えました……」(Bさん)

 ゲームをしなくなってから、“400万円の重み”に気づかされることが多くなったというBさん。結婚式や旅行、自動車、新居の頭金など、「もし、あのお金があれば……」と後悔することが増えたという。現在は“禁断症状”に耐えながら、リアル彼女への恩返しを計っている。

「ガチャを回す動画を見ることで、ガチャ欲を発散しています。もしくは1日1回、10回無料で引けるキャンペーン時に引いて、気持ちを紛らわしています。僕は捨てられて当然なのに、彼女は見捨てないでくれた。まじめに働き、家事をしっかりすることで、お礼の気持ちを伝えられたら、と思っています。課金しなくなって、お金の大切さを思い知りました」(Bさん)

 廃課金からの脱出は容易ではない。自分の力で脱出できた人もいれば、人の協力によって抜け出すことができた人もいる。まずは今の自分の状況を見つめ直すことが、第一歩なのかもしれない。

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