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早期前立腺がん摘出合併症に悩む60代男性 ゴルフで失禁し外出恐怖症に

良かれと思ってやった治療に落とし穴も(イメージ)

良かれと思ってやった治療に落とし穴も(イメージ)

 老後の不安として「お金」と並んで挙げられるのが「健康」だ。重い病を患って寿命を縮めることは誰も望まないから、健康診断や人間ドックで兆候を見逃さないようにする。とりわけ、日本人の死因第1位である「がん」については、早期発見・早期治療が推奨されている。それにより命が助かった人が多くいるのは事実だ。ただ、良かれと思って受けた手術や治療に、落とし穴が潜んでいることもある。都内在住の60代前半の男性が語る。

「人間ドックのオプションのPSA検査で引っかかり、大病院の泌尿器科で精密検査を受けたところ、早期の前立腺がんと診断されました。主治医に『早期だけど、生検で採取したがん細胞の悪性度は高かった』と言われ、前立腺摘出の外科手術を受けることにしました」

 この男性は術後、合併症である「尿漏れ」に苦しむことになった。

「咳をした時に少し尿が漏れるなどの症状が続き、尿漏れパッドをつける生活になった。一度、趣味のゴルフでスイングをした際に失禁し、ズボンがビショビショになりました。それ以来、外出が怖くなってしまい……」

『絶対に受けたくない無駄な医療』(日経BP)の著者で医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう指摘する。

「前立腺の摘出手術を受けると、合併症として尿漏れなどの排尿障害や、勃起障害(ED)が起きることがあります。リハビリなどによって6か月程度で排尿機能が戻ることが多いとされますが、半年以上経っても戻らない場合、その症状が一生続くことがある」

 早期の前立腺がんの場合、手術以外の選択肢も有力だ。

「3か月ごとにPSA検査をして経過観察をしながら、進行が確認されたら治療を開始するという方法もあります」(同前)

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