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菅田将暉が演じる“どこにでもいる若者”にリアリティがあるのはなぜか

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平凡な若者の喜怒哀楽を完璧に表現した菅田将暉

 菅田将暉(28才)が主演を務めるドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)。放送開始早々から注目を集め、SNSなどでは「セリフの一つひとつが胸に刺さる」、「登場人物の心の動きが痛いほど分かる」といった声が多く並んだ。本作が視聴者の共感を呼ぶ理由について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんは「特に菅田の演技が大きなポイント」と語る。

 * * *
 若い世代から大人まで大きな反響を呼んでいるドラマ『コントが始まる』。「お笑い」をメインに扱いながらも、劇中で描かれる若者たちの経験は、大なり小なり誰もが身に覚えがあることのように思う。視聴者は登場人物たちに自身の姿を重ね、自分のことのようにドラマを観ているようだ。

 本作は、人生の岐路に立たされたお笑いトリオの3人と、彼らを見守る者たちの姿を描いた青春群像劇である。本作は、『ヴォイス〜命なき者の声〜』(2009年/フジテレビ系)や『俺の話は長い』(2019年/日本テレビ系)などのドラマ作品を手掛けてきた脚本家・金子茂樹(46才)によるオリジナル作品。主演は菅田だが、有村架純(28才)、仲野太賀(28才)、古川琴音(24才)、神木隆之介(28才)らが扮する5人の若者の姿を描いている。彼らは近しい間柄にあるものの、そのバックグラウンドやモノの考え方は異なり、回を追うごとにそれらが深堀りされていく。この点も多くの視聴者の共感に繋がっているようである。

 物語のあらすじはこうだ。高校時代の同級生である春斗(菅田)、潤平(仲野)、瞬太(神木)の3人組によるお笑いトリオ「マクベス」。彼らは「結成から10年経ってもブレイクしなければ解散」という約束を掲げて活動を続けてきたが、その時期を迎えても鳴かず飛ばずの状況が続き、数少ないファンに向け解散宣言。ところが、この“数少ないファン”の中には、マクベスを心の拠り所とし、ひっそりと見守ってきた里穂子(有村)がいた。里穂子もまた、人生につまずいた一人であり、彼女の妹・つむぎ(古川)はそんな姉に気を揉んでいる。この5人の不思議な交流を描いた物語だ。

 放送開始前、本作の第一報が出た際は、豪華なキャスト陣が話題になった。菅田、仲野、神木、有村の4人は実際に同年代であり、いずれもが演技の世界でキャリアを重ね、いまや個々が主役として作品を背負うことができる域にまで達している。この4人と比べて年少の古川は、経験年数で言えばまだ“新人”だが、朝ドラ出演や映画でヒロインを務めるなど、大車輪の活躍を見せているところ。数年後には、他4人のような存在になっていると断言したい。その意味でこの5人は、“全員主役級”なのである。

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