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2021.06.04 19:00  週刊ポスト

体験報告、素人ナンパ… 歴史に名を刻んだサン出版の娯楽雑誌秘話

様々なニーズに応えてきたサン出版社の歴史(画像は『性生活報告』)

様々なニーズに応えてきたサン出版社の歴史(画像は『性生活報告』)

 1972年に創業し、2013年に看板を下ろしたサン出版は、美男子たちの恋愛を扱った『June』、アイドル雑誌『ザ・シュガー』や『投稿写真』、素人女性を撮影した『Namper』など、ジャンルやカテゴリーにとらわれない数々のヒットを連発した。歴史に名を刻んだサン出版の雑誌を振り返る。

 女性の裸が掲載される雑誌をメインに据えつつ、他のニーズにもサン出版は応えてきた。ゲイ雑誌『薔薇族』人気にあやかり1974年に創刊された『さぶ』は、『薔薇族』にはない角刈りに褌、色黒でマッチョな体躯の「兄貴系」色を打ち出して人気を得た。当初はフランスの背徳作家ジャン・ジュネから取った『ジュネ』が誌名になるはずだったという。1978年にその名を引き継いだ『ジュネ』が創刊。『さぶ』とは違った美少年の耽美を扱い、小野塚カホリ、西炯子など著名な作家も参加した。

 1980年代後半から徐々に過激な性描写を売りにしたレディースコミックがブームになると、1990年に『コミック・アムール』を創刊。男性誌を凌ぐ過激描写で学生から主婦まで、悶々とする女性たちを虜にし、50万部の実売を記録した。

性の記録は生の記録

〈どんなにおもしろくても、嘘であってはいけない。真実の記録の中にこそ、学ぶべきこと、心躍ることが隠されている。性の記録は、いうまでもなく生の記録なのだ〉

 この巻頭言に始まる『性生活報告』は1981年に創刊された、読者投稿による報告の手記がメインの雑誌だ。現在はDVDやネットがアダルトメディアの主流となっているが、読者の中心は70代だ。

「性の探究誌」を謳った熟年投稿雑誌『性生活報告』は誌面の9割が読者の投稿によるもの。編集部は戦中戦後の性体験手記に一切手を加えなかった。コア読者は70歳以上。版元を変えたものの現在も刊行中でまもなく創刊40年を迎える。

 同誌の投稿内容は大きく4つの時期に大別される。【1】戦中から戦後の性体験、【2】1960年代の高度経済成長期の性体験、【3】バブル期から平成にかけての中高年の性体験、【4】近年の若い世代に負けない年配者の性体験だ。

 素人の性体験告白は文章が多少稚拙でも生々しく迫力がある。それが固定読者に支えられて長寿雑誌として生き続けている秘訣だ。

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