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2021.06.10 15:00  マネーポストWEB

測量、手数料、各種税金…「自宅の売却」で必要な諸経費と書類

家の売却でかかる諸経費にはどんなものがある?(イメージ)

 自宅の売却を考えるに際しては、周辺の正しい不動産相場を把握することが何よりも大事になってくる。ただし、売却価格だけに目が行くと、思わぬ誤算が生じるケースもある。住宅ジャーナリストの山下和之氏はこう指摘する。

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「家の売却にはさまざまな諸経費がかかります。経費全体の目安は、売却価格の4%程度が一般的です。なかでも大きいのが業者に支払う仲介手数料。400万円以上の物件なら『売却金額×3%+6万円(+消費税)』が上限なので、たとえば3000万円で自宅が売れたら仲介手数料は最大105万6000円になります。ただし、この額は法律上の上限額なので、交渉により値引きすることも可能です」

 仲介手数料以外の経費について、大手住宅メーカーでの勤務経験があるファイナンシャルプランナー・鴇巣雅一氏が解説する。

「売買契約書に必要な印紙税が売却価格により5000円から数万円かかります。また、戸建ての不動産売却では土地の境界などを画定するために測量が必要になりますが、これにかかる費用は40万円前後が一般的です。ただ、国有地や私有地と隣接していたり、土地の形状が複雑だったりする場合、測量費はさらに高額になります。

 また、物件価格が購入時よりも跳ね上がっている場合は、不動産譲渡所得税がかかることがあるので注意してほしい」

 譲渡所得税は、売却金額から購入時の代金と仲介手数料や測量費を除き、さらに特別控除額3000万円を引いて残った分に対して課税されることになる(損失の場合は他の所得と損益通算できるケースもある)。

 売却時の「書類」の不備が、後々トラブルに発展することがあるのでこちらも細心の注意が必要だ。

「土地の地積測量図がないまま売却し、買い手が隣地との境界を巡るトラブルになり、後になって責任を問われるケースもあります。都内なら境界が5センチ違うだけで、不動産価値が数百万円変わってくるエリアも多い。両隣の立ち会いのもと、きちんと測量したうえで売り出すことが必要でしょう」(鴇巣氏)

 失敗しないために押さえておくべきポイントとして不動産ジャーナリストの榊淳司氏が挙げるのは「契約不適合責任」だ。

「不動産を売買した後でも、買い手が売り手に住宅の欠陥(瑕疵)の責任を問うことができるというものです。売買契約後1年以内に契約書に記載がなかった欠陥を買い手が見つけた場合、売り手に賠償請求や補修などが要求できる制度です。

 たとえば築30年以上の建物を売る場合などは、見えない部分にも何らかの傷みが生じている可能性は高い。売る側としては、あらかじめ『売主の契約不適合責任なし』と明記した契約内容にすることが得策です」(榊氏)

 多くのサラリーマンにとって「人生最大の買い物」であるマイホームの後始末は、やはり大仕事だった。

※週刊ポスト2021年6月11日号

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