中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「3密」「5つの小」から「カエル」まで 小池都知事の“フリップ芸”の数々

「8時にはみんなかえる」のキャッチフレーズを掲げる小池百合子都知事(時事通信フォト)

「8時にはみんなかえる」のキャッチフレーズを掲げる小池百合子都知事(時事通信フォト)

 コロナ対策に関連し、全国各地の知事が連日記者会見を行っているが、その中でも圧倒的な存在感を示すのが小池百合子・東京都知事。なんといっても小池氏の会見で特徴的なのは、「フリップに書かれたキャッチフレーズ」の数々だろう。広告会社出身のネットニュース編集者の中川淳一郎氏も、小池氏の会見の“フリップ芸”に注目しているという。

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 この1年ほど、小池氏が会見でフリップを出す度に「今度はどんな言葉遊びを入れてくるのだろうか」と、半ば呆れながら見続けています。6月7日の会見では、鳥獣戯画風のマスク着用カエルとウサギが登場し、以下の言葉が書かれていました。

「夜の人の流れを抑えるために 8時にはみんなかえる」が大見出しで、「職場からかえる」「お店からかえる」「寄り道せずかえる」「ウチで気分をかえる」がサブコピーのようなもの。

 これについて担当者は「うまいこと考えた」と思っているのかもしれませんが、会見中に小池氏が「8時だよ、みんな帰ろう」と複数回述べたことから、ネット上には「フザけてるのか!」という声も多数書き込まれていました。かつての大人気番組『8時だョ!全員集合』(TBS系)を想起させたのでしょう。そうです、かつてコラムニストのナンシー関さんは「『だョ!全員集合』を入れるとバカっぽくなる」と喝破していたのですが、小池氏は見事にそれをやらかしてしまった印象です。

 6月8日の日刊ゲンダDIGITALでは〈小池知事ドヤ顔「8時だョ!」ドリフこじつけ発言が大炎上!都のポスター担当とんだトバッチリ〉といった記事が掲載されるに至りました。

 かつてNTTが、家に帰る時に電話をかける「カエルコール」を提唱しましたが、今回の小池氏の会見を見て、そのCMを思い出しました。以前、キャラクターの専門家に取材したところ、そもそもカエルはキャッチフレーズに使いやすいという面があります。

「カエルって、『代える』『買える』『換える』『変える』『替える』など言葉の響きにいろんな意味があるので、企業が新商品を買ってもらいたい時や、新生活を始める時などにキャラクターとして使うと便利なんですよ。あと、カエルのキャラクターを登場させたら語尾に『〇〇だケロ!』などと言わせたりもできる」

 そうした意味で、カエルをキャッチコピーに使おうと考えた意図は理解できます。問題は、それがどこまで都民に伝わっているのか、ですね……。

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