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老後の再婚はトラブルの種に 一方で事実婚を選んでも悩ましい問題が

「第2の人生」で新しいパートナーに出会った時、注意すべき点は多い(イメージ)

「第2の人生」で新しいパートナーに出会った時、注意すべき点は多い(イメージ)

 近年、メディアで話題になったことから、終活は「やって当たり前」のものとなりつつある。女優の樹木希林さん(享年75、2018年逝去)は、所有していた合計10億円ともいわれる不動産の一部を、相続税対策として孫に生前贈与するなど、その用意周到さが称賛された。だが、現実には終活がトラブルにつながるケースは少なくない。理想の老後を過ごし、残された家族に迷惑をかけないためには、どうすればよいのだろうか。

 定年や還暦を迎え、「第2の人生」をどう有意義に過ごすか考える人は多いだろう。特に女性は男性よりも平均寿命が長く、夫と死別してから新たな伴侶と出会うことも珍しくない。だが、老後を迎えてからの再婚は、不利益が生じる可能性がある。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが言う。

「通い婚や事実婚ではなく、正式に籍を入れると新しい夫の法定相続人となるため、遺産相続の際に夫側の家族と揉めやすい。また前の夫との間に子供がいる場合、娘は再婚を歓迎してくれやすいが、息子は拒否反応を示すケースが多く悩みの種になりがちです。相手方の家族や親族から『後妻業ではないか』と疑いの目で見られることにも覚悟が必要です」

 面倒を避け、再婚はせず事実婚を選ぶ人も多い。だが、これも悩ましい点がある。相続・終活コンサルタントの明石久美さんが語る。

「事実婚の夫が亡くなった場合、事実婚の妻に相続の権利は一切なく、たとえ20年連れ添ったとしても夫の遺言書がなければ財産分与が認められない。夫が死んだら、身ひとつで家から退去させられるかもしれません。また家族や血縁でないと、夫の意識がないときなど、いざというときに医療の同意ができないことにも注意が必要です」

 安易に再婚してトラブルになることもあれば、何の準備もしていなかったことで、思いも寄らない困難に見舞われることもある。もしものときをしっかりと想定し、現状を見つめたうえで、適切な準備をする必要があるだろう。

※女性セブン2021年6月17日号

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