吉田みく「誰にだって言い分があります」

高齢者の「ワクチン格差」がジム仲間を分断 脱衣所で嫌味合戦が勃発

予約を取るのも一筋縄ではいかない(時事通信フォト)

予約を取るのも一筋縄ではいかない(時事通信フォト)

 医療従事者に続いて、65歳以上の高齢者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる。接種の予約は主にインターネットや電話を使うが、高齢者の中にはネット環境が整っていなかったり、操作に不慣れという人も多い。無事に予約ができたとしても、接種会場まで足を運ぶこと自体、大変な人もいる。同世代のジム仲間とワクチン接種をめぐり言い争いになったという71歳女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 都内在住の無職、関沢久美さん(仮名・71歳)は、ワクチン接種を巡る雑談の中で、フィットネスジムの仲間とちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまったことを話してくれた。

「同じ地域に住むジム仲間は、全員65歳以上の高齢者。話題はワクチン接種予約で持ちきりです。幸いなことに私の場合は、近くに住む息子がネットで予約の手配をしてくれたので良かったですが、自分一人だったらスムーズに出来ていたか怪しいかもしれません。会場も徒歩で5分くらいのところだったので良かったですが、遠かったらと思うとゾッとします」(関沢さん、以下同)

 ジム仲間の中には、電話で予約している人もいるという。何時間かけても繋がらないという苦労エピソードを聞いた時は、本当に気の毒だと思ったそうだ。中には、ワクチン接種会場までタクシーを使い、片道3000円近くかかったという話も。どのジム仲間も、「こんなに大変だとは思わなかった」と口々に話していたという。

「そうした中で、予約するのに苦労している仲間がいる前で、『息子がリモートワーク中に予約してくれたから、楽ちんだった〜』と、自慢げに話す人がいたんです。他にも、『お嫁さんが接種会場まで車で送ってくれたの。歩かずに済んでよかったわ』などなど……。『みんな大変でかわいそうね』といった言葉も連呼していましたね。誰も頼る人がいない仲間もいるのに、配慮が足りない人たちだなと思いました」

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