毎日同じものを出したっていい
皆さん、毎日違うものを作らなければと思い込んでる方も多いようなのですが、うちは毎朝同じ。ご飯(冷凍をチンの時も)と余ってる野菜を入れたお味噌汁(冷蔵庫に入れておいた前日の残りの時も)、あと納豆と海苔とかあるものを出せば夫は満足そうに食べています。
お昼は私だけだったら、お腹すいていないからパス! ってことも多いのですが、家族がずっと家にいるので作るか、という時なら、冷凍うどんやおかずの残りでチャーハンとか。私が仕事以外で普段家族と食べるのはこんな感じの雑で地味な料理(笑い)。さらに、作り続ける料理から離れて「ご飯作るの今日しんどいんだけど」と伝えられる選択肢もあったらと思うのです。
そう、こんな方もいらっしゃいました。『料理が苦痛だ』の本を読もうとテーブルの上に置いておいたら、ご主人がタイトルを見てびっくりしたみたいで、「おまえ、大丈夫か?」「今日はちょっと寿司食べに行こう」って言ってくれました! これは効きます! って(笑い)。
「3食料理をするのが嫌でどうしたらいいですか?」という問いになんとお答えするか――実は、「これさえすれば万事OK」という魔法の一手があるわけではなくて、今お話ししてきたように、何となくやり過ごす、気晴らしをしながら無理なくやる、に尽きるのかなと思うのです。作る人の気持ちを少しでもラクにできるように、「負担だったらやめてもいいし、やりたくなったらやればいい」、その自由さを持つことが一番かなって、結局そこに戻るのかもしれませんね。
【プロフィール】本多理恵子/料理応援家。手ぶらで見るだけの料理教室を主宰。会社勤めの頃は冷蔵庫に缶ビールしか入っていない生活だったが、子どもが小学生になる時、都内から鎌倉へ家族で移住したのを機にカフェを経営。料理を仕事とするようになる。親戚や昔から知る友人には「作れるの?」「嘘でしょ!?」と驚かれたが、2007年の開校以来、料理教室の生徒数はのべ1万2000人以上と大人気。著書に『料理が苦痛だ』(自由国民社)、『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ』(KADOKAWA)、『めんどくさいがなくなる「明日ラク」レシピ!』(清流出版)など。https://rietta.me/