住まい・不動産

コロナ禍での地方移住の誤算 悪条件の土地を売りつける業者に注意

「コロナを機に地方移住」には注意点も(イメージ)

「コロナを機に地方移住」には注意点も(イメージ)

 テレワーク導入や勤務先の移転などで、住宅ニーズの「脱東京」の動きが注目されてきた。今後、住まいはどう選ぶのが正解なのか。不動産ジャーナリストの榊淳司氏が解説する。

「最近はテレワークの導入で在宅時間が増え、新築マンションでは80平米超の広い物件のニーズが高い。自宅周辺に『息抜きできる場所』があることも大事なポイントで、街並みや環境に魅力のない街が不人気化する傾向があります。都心から郊外に移住する流れが一部にありますが、大きなトレンドとは言えません。今後、もし郊外への転居を希望するなら、メリット・デメリットがあることを踏まえるべきです」

 都内のマンションに住んでいた50代男性会社員は、地元の不動産業者に「コロナで不動産価格が下がる可能性がある。今が売り時」と言われ、神奈川県の海が見える街に移り住んだ。男性が語る。

「自宅マンションは約3000万円で売れ、より広い中古の一戸建てを2000万円で購入できました。勤務先まで1時間半かかりますが、テレワークで週2日の出社なので、通勤は苦になりません。ただ、景色を優先して場所を決めたために、病院やスーパーも遠くて不便。歳を取り、免許を返納することを考えると一抹の不安があります」

 住んでいたマンションが値下がりした様子もなく、男性は「先走りすぎたかも」と後悔している。住宅ジャーナリストの山下和之氏が指摘する。

「昨年春から夏頃は都心の地価が若干下がりましたが、目立った下落は起こりませんでした。港区や目黒区、川崎市の武蔵小杉周辺など人気エリアの地価はむしろ上がっている。一方、いま地価の安い郊外や地方は将来的に値下がりする可能性が高い。この先、人口が減少すれば周辺の医療・福祉施設や商業施設などがなくなり、一段と不便になる可能性があります」

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