プロ経営者としては「勝ち戦」に乏しい
過去、他のプロ経営者と呼ばれたトップも、勝ち戦ばかりとは限らない。たとえば、ジョンソン・エンド・ジョンソンからカルビー社長に転じて再生に成功した松本晃氏は、その後ライザップに転じたものの、「予想以上に企業の中味が悪かった」と、自身の手による再建を断念して退任した例もある。
また、社長には強いリーダーシップや数字に強いことが求められるが、プラス、腕利きマーケッター的な要素も兼ね備えるプロ経営者となると、それほど多くない。
たとえばライオンから日本コカ・コーラ社長に転じ、現在、資生堂社長を務める魚谷雅彦氏、あるいはキリンビール出身でキリンビバレッジ社長の後、湖池屋社長に転じた佐藤章氏あたりがそうだが、玉塚氏はそこには該当しない。プロ経営者としての勝ち戦といえる実績がまだない玉塚氏は、新天地のロッテHDで果たしてどんな結果を残すだろうか。
●文/河野圭祐(経済ジャーナリスト)