ビジネス

ロッテ新社長の玉塚氏 プロ経営者と呼ばれたユニクロ、ローソン時代の「通信簿」

ロッテHD社長に就任した玉塚元一氏(写真は2016年のローソン社長時代/時事通信フォト)

ロッテHD社長に就任した玉塚元一氏(写真は2016年のローソン社長時代/時事通信フォト)

 去る6月末、ロッテホールディングスの新社長に玉塚元一氏(59)が就いた。同氏はいわゆる“プロ経営者”の1人に数えられるトップ。プロ経営者の確たる定義はなく、複数の会社を実績を上げながら渡り歩くといったところだが、玉塚氏の場合はどうだったのか。

 まず新卒で旭硝子(現AGC)に入社後、一度日本IBMに転職。その後、ユニクロを展開するファーストリテイリング社長→企業再生事業を手掛けるリヴァンプを設立して共同代表となり、リヴァンプが再生を手がけたロッテリアCEO→大手コンビニのローソン社長→ゲームソフトの不具合検出事業を柱とするデジタルハーツホールディングス社長→ロッテHDと、日本IBMを除いても今回で「5回目」の転身だ。

 単純に在籍期間が長ければいいわけではないが、3年、ないし4年という玉塚氏のトップとしての期間は短く、“渡り鳥人生”という印象は拭えない。

志半ばで去った「ユニクロ時代」

 遡ると、同氏がファーストリテイリングに入社した1998年はユニクロが11月に原宿店を出し、以後、大ヒットしたフリースブームの起点となった年だった。その後、2000年から2001年にかけてファーストリテイリングは爆発的な成長を見せ、当時副社長だった澤田貴司氏が、創業社長である柳井正氏から社長就任要請を受けるも固辞。2002年に澤田氏は同社を去っている。

ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業社長、柳井正氏(時事通信フォト)

ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業社長、柳井正氏(時事通信フォト)

 そこで柳井氏が白羽の矢を立てたのが玉塚氏で、澤田氏の退任と入れ替わる形で2002年、社長に登板している。だが創業オーナーゆえ、柳井氏はフリースブームの反動で商品在庫が積み上がって以降も、玉塚氏に倍々ゲームでの拡大、成長を求めていった。

 大学時代にラグビー部で鳴らした玉塚氏は、人を巻き込んでいくチーム力醸成には長けていたが、同時に兄貴分気質なため、厳しいリストラなどを陣頭指揮するのは不得手なタイプだ。結局、柳井氏の要求はハードルが高くてなかなか思うような結果を残せず、志半ばで2005年にファーストリテイリングを退職している。

ファーストリテイリング社長時代の玉塚氏(2004年/時事通信フォト)

ファーストリテイリング社長時代の玉塚氏(2004年/時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン