芸能

『100日間生きたワニ』監督夫妻が語る「声優」を起用しない理由

コロナ禍の今、この映画で伝えたいこととは?共同監督を務めた上田慎一郎さんとふくだみゆきさん夫妻

コロナ禍の今、この映画で伝えたいこととは?共同監督を務めた上田慎一郎さんとふくだみゆきさん夫妻

 最終話がTwitterで国内歴代最多数の「いいね」を記録した大ヒット漫画『100日後に死ぬワニ』。そのアニメーション映画『100日間生きたワニ』が7月9日より公開中だ。監督・脚本を手掛けたのは、『カメラを止めるな!』の監督・上田慎一郎さん(37才)と、同じく映画監督・アニメーターとしても活躍する妻のふくだみゆき(33才)さん。映画版オリジナルのストーリーやキャラクターが登場する本作は、神木隆之介さん(28才)や中村倫也さん(34才)など豪華キャスト陣も多数出演している。彼らを起用した理由などについて2人に詳しく聞いた。

 映画『100日間生きたワニ』には、原作にはないオリジナルキャラクターのカエルが登場する。考案する際には、原作者のきくちゆうきさん(35才)も参加したという。

ふくだ「新キャラクター考案の際、まずはきくちさんも交えて打ち合わせを行い、ディスカッションをして、アイディアも出していただきました。おかげで一回の打ち合わせでどんなキャラクターにするかという方向性がほぼほぼ決まりました」

 カエルは俳優の山田裕貴さん(30才)が演じた。カエルにした理由について上田さんは、「あまり言わないほうが良いのかな」と明言を避けつつも、「一つ言うなら、やっぱり梅雨とともにやってくる、というところがミソですかね」と話す。

 さらに、ワニ役には神木隆之介さん、ネズミ役は中村倫也さん、ワニが恋するセンパイ役に新木優子さん(27才)とキャストも豪華な本作。モグラ役の木村昴さん(31才)以外、メインキャラクターは声優ではなく役者を多く起用しているのが特徴だ。その理由は、原作の語り口を生かしたいという2人の強い思いがあった。

上田「ぼくらの中で、邦画のようなアニメを作ろうというコンセプトがあったんです。だから当初から、基本的には声優ではなく、役者を起用するべきだなという方向性を持っていました」

ふくだ「もともと原作が多くを語らない、独特の間合いを持つセリフが特徴的なんです。だから、セリフを映像の中へ持ってきた時に、その空気感を損いたくなくて。通常のアニメは割と会話がポンポンと展開して、物語が進んでいくものだと思うのですが、本作はそうではなく、その時の空気感や余韻を感じられる“間”を通常のアニメよりたっぷり取っています。

 なので、役者にもいわゆるアニメを意識した演技ではなく、実写と近い形で演じてもらおうと当初から思っていました。具体的には、はっきりセリフを言うというより、普通に喋っているような空気感の中で演じて欲しいとお伝えしました。出来る限り作られたものではない、キャラクター同士の空気感を大事にしたかったんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン