キャリア

いとうまい子 45歳で大学入学、今は大学院博士課程で抗老科学を研究中

早稲田に所属しながら、東京大学大学院農学生命科学研究科の特別研究生として研究中(いとうまい子)

早稲田に所属しながら、東京大学大学院農学生命科学研究科の特別研究生として研究中(いとうまい子)

 人生、岐路に立って迷うときもあれば、何も起こらないことに焦るときもある。誰にとっても、山あり谷ありの毎日でも、転機は必ず訪れる。新たな一歩を踏み出すことで人生を変えたひとり、いとうまい子(56才)に話を聞いた。

 今年、芸能生活38年目を迎えたいとうは、現在、大学院の博士課程で抗老化学の研究を続けている。

「東京大学の健康栄養機能学研究室と共同で、抗老化効果のある食品成分を探す研究をしています。一部の食品には、たくさん摂っても、細胞自体に『摂っていない!』と勘違いさせるカロリー制限模倣物が含まれています。それを食べると、食事制限をしているのと同様、老化を遅らせるサーチュイン遺伝子の働きがオンになる。そうした成分を見つけるため、日々細胞を培養しています。超高齢化時代のいま、特定の食品やサプリメントを摂るだけで若さを保てるようになればいいですよね」(いとう・以下同)

 そう微笑む彼女が、この研究をしているのには理由がある。

「デビュー5年目くらいのとき、写真集で脱ぐという話になり、『話が違う』と、事務所を飛び出して独立したんです。芸能界の複雑な仕組みの中で難しい選択ではありましたが、納得できない限りは全力で頑張れない。かわいげがなかったんですね(笑い)。それでもこうしてお仕事ができているのは、番組の関係者や視聴者のかたがたがいてこそ。デビュー25年を過ぎたあたりから、恩返しがしたいと思うようになったのです。

 でも、高校を出てすぐ芸能界に入ったので、恩返しの方法がわからない。そこで、大学に行って土台となるものを構築しようと思いました。以前、文部科学省のお仕事でご一緒した教授が『日本には、まだ予防医学の大切さが浸透していない』と、おっしゃったのが頭の片隅にあったので、予防医学を学び始めることにしたのです」

 2010年、早稲田大学人間科学部健康福祉科学科のeスクール(※)に入学。

【※早稲田大学人間科学部eスクールは、キャンパスに通わず通信教育で受講できる仕組み。受験は書類審査と小論文、面接のAO入試形態】

「面接で、担当の教授から『あなたのような職業の人は、入ってもすぐにやめるから』と言われたんです。そのとき、絶対に4年で卒業してみせると決意しました。一般教養は、興味の有無に関係なく必須でした。しかし唯一、興味の深かった予防医学の講義だけは、2年間休まずに受講しました」

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