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【ドル円週間見通し】ドルは下げ渋りか、今週発表の米経済指標も注視

今週のドル円はどう動く?

今週のドル円はどう動く?

 投資情報会社・フィスコが8月2日~8月6日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル円は、下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締めに舵を切るものの、慎重姿勢を崩さずドルは買いづらい展開となりそうだ。雇用関連指標からFRBの政策を見極める展開となり、ドルへの売り買いは交錯する見通し。FRBは27-28日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定。新型コロナウイルス・デルタ株は成長の腰折れリスクだが、雇用情勢の改善とインフレ高進により金融政策の支援を弱めるタイミングが近づいているとの見解を示した。

 ただ、パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、緩和策を縮小する状況へ達するまで時間を要するとし、資産買入れ方針を維持している。FRBは6月のFOMCで引き締めに舵を切ったことに変わりはなく、そうした見方がFOMC後のドル売りを弱めている。今週は重要経済指標の発表が目白押しで、米国の7月ISM製造業景況指数と7月雇用統計が注目される。いずれも前回から改善が見込まれており、市場予想と一致するか、上回った場合、米国経済の正常化期待により株高・金利高・ドル高の要因になりやすい。新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大が警戒されるなか、主要経済指標が市場予想を大きく下回れば、景気回復への期待は低下し、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。

【米・7月ISM製造業景況指数】(8月2日発表予定)
 8月2日発表の米7月ISM製造業景況指数は60.7と、前回の60.6から小幅に上昇する見通し。このうち雇用指数が改善すれば、米金利見通しにも影響を及ぼす可能性がある。

【米・7月雇用統計】(8月6日発表予定)
 8月6日発表の米7月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+90.0万人、失業率は5.7%の見通し。雇用者数は前月大幅増となったが、7月はさらに増える可能性がある。市場予想を上回った場合、経済正常化への期待が広がる。

・8月2日-6日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(米)7月ISM製造業景況指数 2日(月)午後11時発表予定
・予想は、60.7
 参考となる6月実績は60.6にとどまり、5月実績を下回った。深刻な原材料と労働力の不足が影響したようだ。7月については6月時点の状況と大きく変わっていないことから、景況指数の改善は期待できない。新規受注は引き続き高い水準を維持する見込みだが、6月実績をやや下回る可能性がある。

○(欧)ユーロ圏6月小売売上高 4日(水)午後6時発表予定
・予想は、前月比+1.5%
  非食品や自動車燃料の販売増加が寄与した。新型コロナウイルス感染対策の規制緩和を受けて個人消費はやや堅調。6月については、ユーロ圏経済の改善によって自動車燃料の需要は増える可能性があるため、前月比プラスとなる見込み。

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