東京五輪開催中の7月28日、東京・渋谷の繁華街を走る不要不急の外出自粛を呼びかける宣伝カー(時事通信フォト)

東京五輪開催中の7月28日、東京・渋谷の繁華街を走る不要不急の外出自粛を呼びかける宣伝カー(時事通信フォト)

「聖地なんで来ました。やっぱり品揃えいいですね」

 お台場ではガンダムベース東京のクールな袋を持った千葉の若者と立ち話。

「転売ヤーの連中がごっそり買ってるんで、ほんとむかつきます」

巣ごもり需要と新作の劇場公開もあって巷のガンプラ熱は再燃している。ネットで買えばいいのにと思うかもしれないが、やはり実店舗で買う特別感は格別だ。お台場もまた、そんな特別を満喫する人々で賑わっていた。

オリンピックできるんだから、もうなんでもいいじゃん

「お客さん少ないんで、お願いします」

 秋葉原、炎天下のコロナ禍でもメイドさんは路上に立って客引きをしている。若いとはいえこの気候でずっとマスクは苦しいだろうに。実際、隅っこに行ってマスクをずらしていた。ちょっとかわいそうだ。秋葉原の人出は新宿や渋谷に比べれば少ない。外国人頼み、インバウンド頼みの果てに今も苦戦中だ。

「ここに来てる連中は覚悟が違うから」

 それでも元気なのは居酒屋、秋葉原でいまだに24時間酒が飲める店、意地でも営業しているどころか店舗を拡大している。いつ来ても大盛況、客が来るなら国や都の要請など無視したもん勝ちが現実だ。以前は都も厳しく対処していたが、オリンピックが始まってからはゆるいどころか要請も来ない。都もオリンピック中はバツが悪いのだろうか。

「オリンピックできるんだから、もうなんでもいいじゃんね」

 通り沿いのテーブルで呑む若者二人。彼らがアウトローなのではなく、これは都内で多く聞かれた素朴な意見だ。開幕直後からメダルラッシュで盛り上がる日本、それに乗じてというわけではないだろうが、一般国民は街に繰り出し現実路線へと完全にシフトした。なぜ一般国民だけが我慢しなければならないのかと。

「ワクチン打ち終わったからまあ、大丈夫だと思います」

 銀座松屋前、猛暑を悠然と歩く老夫婦が答えてくれた。年齢を考えれば、むしろ熱中症を心配したほうがいいレベルの暑さで、「マスク苦しいわ」と奥さんのほうはボヤいていた。ワクチンもまた無意識の「言いわけ」になってしまうのかもしれない。

「ちょっとホッとしてます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン