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新型コロナ インフルと同じ「5類」分類変更なら“年内収束”も可能か

五輪期間中は閑散とした浅草だったが、年末には?(写真/共同通信社)

五輪期間中は閑散とした浅草だったが、年末には?(写真/共同通信社)

 東京オリンピックの閉会式では、2024年パリ五輪への引き継ぎ式の中でエッフェル塔近くの特設会場の様子が生中継で映し出され、大群衆のパリ市民やフランス代表のメダリストらがノーマスクで歓声を上げる姿が見られた。しかし、実は日本とフランスに大きな感染状況の差があるわけではない。日本では連日全国で1万人を超える新規感染者が出ているが、フランスでは東京オリンピックの閉会式が行なわれた8月8日にも2万人を超える感染者が出ている。ところが、フランスでは飲食店も開いており、人々も活動を自粛するムードはない。

 欧米各国では感染者数は減っていなくても、かつての日常を取り戻しつつあるのだ。京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏は、「日本も日常に戻るためには、コロナをゼロにするという考え方を改める必要がある」と言う。

「現在、デルタ株が登場して感染力は強まりましたが、重症者や死亡者は減っている。1日5000人単位で感染者が出ている東京都でも、死亡者は1日2~3人程度です。また、発症していない感染者がいることを考慮すると、実際の死亡率は公表されている数字よりもさらに低いと考えられる。つまり、国民がコロナをインフルエンザのような普通の感染症として受け入れるようになってくれば、徐々に元の日常に近づくことになるのです」(宮沢氏)

 インフルエンザで医療機関を受診した感染者数は2019~2020年で約728万人、2018~2019年が約1200万人である。

 また厚労省の人口動態統計によれば、インフルエンザで亡くなる「直接死」は2019年が3575人、2018年は3325人。インフルエンザにかかって持病が悪化して亡くなる「関連死」は、毎年1万人ほど発生すると推計される。

 ただし2020~2021年のインフルエンザの感染者数は1.4万人と激減した。これについては、感染防止対策が奏功したとの見方や、コロナが流行して他のウイルスが抑制される「ウイルス干渉」が起きたなどの諸説あるが、いずれにせよ例外的なシーズンとみなしていい。

 一方のコロナは、発生から1年半あまりで国内の累計感染者数が約104万人に達し、約1万5000人が亡くなった。しかし、2020年末からの第3波と2021年3月からの第4波では1週間の平均感染数がピークで約6000人、死者数は100人前後だったが、2021年7月からの第5波では感染者数は1万人と急増したものの死者数は10人弱で推移している。

 そして、カギを握るのが、感染症法上の位置づけだ。

「新型コロナは『新型インフルエンザ等感染症』という位置づけで、陽性者は原則として入院・隔離され、医師や看護師がPCR陽性や濃厚接触者になると診察できなくなります。

 これを危険度が低く、強力な措置を必要としない季節性インフルエンザと同じ『5類』に分類すれば、現在のような医療提供体制の逼迫を回避できます。コロナを収束させるには、法律上もインフルエンザと同じ扱いにすることが重要なのです」(宮沢氏)

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