「高齢者は半年おきに接種」の提言も
ひとまず3回目はいつ打たなければならないのか。
「アメリカでは、2回目を打った8か月後から3回目接種の承認を行っています。そのため、日本でも同様に、おそらく約8か月後の追加接種になると考えられます」(国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さん)
世代や生活習慣の違いで前後することも想定される。
宇都宮病院の研究によれば、2回接種から3か月後の抗体価は、60~70代の人は20代の半分しかなかった。喫煙者は全体の中央値より3割以上も低かった。そのため研究チームは「高齢者は半年おきの再接種が必要」としている。
「3回目」の副反応も気になる。1回目よりも2回目の方が発熱などの副反応が出やすいことが明らかになっている。もし3回目となれば、より重い副反応に苦しめられることになるのではないか。
「基本的に、発熱などの副反応は2回目よりも強く出ると考えられます。さらに、日本人は欧米人よりも副反応が出やすいことも考慮する必要があるでしょう。
ただし、確実に3回目の副反応が激しくなるとも言い切れません。『免疫寛容』といって、複数回、接種すると、アジュバント(ワクチンの補助剤)に対する免疫応答が緩やかになる例も見られるからです。簡単に言うと、体がワクチンに慣れるということです」(血液内科医の中村幸嗣さん)
イスラエルで3回目の接種者4500人を調査したところ、副反応が「2回目と同等以下だった」と答えた人は88%だったが、同国の保健機構は「長期的に安全性を調べる必要がある」と慎重な姿勢を保っている。