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より刺激的なものを求めて…「スマホ依存≒アダルト動画依存」医師が警鐘

スマホ依存とアダルト動画依存にどんな関連性が?(イメージ)

スマホ依存とアダルト動画依存にどんな関連性が?(イメージ)

「昨年からリモートワークが増え、家で過ごす時間が長くなりました。独立した子供の部屋を自分用に使っているんだけど、仕事の合間にも、ついついスマホでアダルト動画を見てしまう」──こう話すのは、埼玉県在住のA氏(57)。彼の言葉に元気がないのは、慢性的な睡眠不足に陥っているからだ。

「以前は家族が留守の間に、共有のパソコンでアダルトサイトを見る程度でした。でも2年前にガラケーからスマホに買い換え、無料のアダルト動画サイトを見つけてからガラリと生活が変わってしまった。

 夜家族が寝静まってから、毎日のように1時間以上も動画鑑賞。おかげでいつも寝不足で、日中もボーッとしてしまう」(A氏)

 近年、スマホでポルノ動画を延々と見てしまい、仕事や日常生活に支障をきたす人が絶えない。そんな現実を摘出した書籍『インターネットポルノ中毒』(DU BOOKS刊)が注目を集めている。4月に発売されるや増刷を重ね、同書を紹介するYouTube動画の再生回数は130万回を超えた。

 著者は病理学・解剖学・生理学の専門家のゲーリー・ウィルソン氏。アメリカ出身で、2012年に講演番組『TED・トーク』で発表した「大いなるポルノ実験」は900万回以上視聴され、18言語に翻訳されている。

 同書は、スマホの普及をはじめとするネットの発達に伴って「ポルノ中毒者」が増えたと指摘する。昨年、スマホ依存について分析した『スマホ脳』(新潮新書)が50万部を超えるベストセラーになったが、ゲーリー氏の著書は過激で大量のネットポルノが人の脳を麻痺させて依存を起こさせるメカニズムに迫るもので、いわば「エロスマホ脳」を研究したものと言える。

 そこには、〈仕事に行くのもいや、友達や家族とのつきあいも、特にポルノ儀式(アダルト動画を見ること)と比べたらどうでもいいように思えた〉〈ときには完璧なネタを求めて一日中探し回る。決して満足することはない。「もっとくれ」と脳がいつも言い続ける〉といった、実際にポルノ動画に依存してしまった人たちの生々しい声も多数紹介されている。

『もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法』(静山社文庫)の著者で、依存症に詳しいおくむらメモリークリニック院長の奥村歩医師が解説する。

「『集中力が無くなった』とか『夜眠れない』といった中高年男性の話を聞いていると、スマホ依存の傾向がある人が非常に多い。実際にスマホで何を見ているのかというと、大半が『ポルノ動画』です。見続けるあまり、心身の調子を崩してしまう患者も珍しくありません。スマホ依存とポルノ依存がニアリーイコールだということを実感します」

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