戸松信博の明日の爆騰株を探せ!

CAC Holdings:DX需要を追い風に中期的成長期待の持てる銘柄として注目

CAC Holdings(4725):市場平均予想(単位:百万円)

CAC Holdings(4725):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 CAC Holdingsは、ITコンサルティングサービス企業。連結子会社20社、持ち分法適用会社2社を擁す持ち株会社で、子会社を通してシステム構築サービスやシステム運用管理サービス、保守サービスなどを展開しています。

 あらゆる業界を顧客市場としていますが、特に金融業界、製薬業向けに強みを持っており、それぞれ売上の25%、27%を構成しています。

 展開する事業セグメントは、【1】国内子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・人事BPOなどを提供する「国内IT事業(2020年12月期売上構成比66%)」、【2】海外子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・保守サービスなどの「海外IT事業(同20%)」、【3】製薬企業が医薬品開発時に行う治験業務や製造販売後の業務の受託・代行サービスを提供する「CRO事業(同14%)」の3つから成ります(なお、CRO事業は今年6月に売却を終えており、来年度からなくなります)。

 国内IT事業では、プライムコントラクタ(元請け、一次請け)率が90%と高く、粗利益率が25%と高いのが特徴。独立系SIerのパイオニアとして、早くから優良な顧客基盤を構築してきたことが勝因となっているようです。

 海外進出も早く、1978年の台湾法人設立を皮切りに、米国、ヨーロッパ、中国、インド、インドネシアとグローバルネットワークを拡大。現在売上の20%を海外で稼いでいます。

注目ポイント

 業績は好調。受注残高も2桁成長しており、短期的な見通しも明るいです。そして中期的にはDX需要の波に乗った成長が期待されます。DX需要は発生・拡大以前から、業務効率向上や顧客体験の向上を目的に高まっていましたが、コロナを機に前倒しでDX化需要が拡大しました。健康管理や非対面・非接触対応が求められるコロナ禍においては、ブロックチェーン技術やHCTechを活用したソリューション・製品がプレゼンスを増している模様。

 コロナ禍においては、経済活動の制限などに伴う景気の動向が顧客企業のIT投資に影響を及ぼしており、今後もその影響が長引く可能性ありますが、一方でリモートワークやオンライン購買へのシフト、キャッシュレス決済の利用拡大などのDX化の恩恵を大きく享受した成長が期待できると思います。

 一方、利益面では、製薬企業との契約形態見直しやICT利活用、また事業構造改革による利益改善が見込まれる体質となってきたことが評価ポイントとなります。2021年12月期第2四半期における営業利益率は前年同期の3.8%→9.2%に上昇しています。

 事業が順調であることから、財務内容は改善が続いています。自己資本比率は2019年12期末54.7%→2020年12月期末57.0%→2021年12月期第2四半期末64.0%に。また流動比率は20/12期末の2.37倍→2.78倍に、実質無借金経営で、ネットキャッシュは75億円→106億円に増加しており、潤沢な資金が手元にある健全な内容となっています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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