また、「マンネリのイメージが薄れて鮮度を回復した」「ファンからの待望論が高まった」「時代や人々のニーズが番組内容に再び近づいてきた」などの現象があれば、“復活”という選択肢が生まれるのも事実。
実際、この点に関して最も柔軟性のあるテレビ朝日は、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』『ナニコレ珍百景』『帰れま10』(『お試しかっ!』内で放送)などを復活させた実績があります。かつては「過去の番組を復活させるのは恥ずかしい」と考えるテレビマンも多かったのですが、現在ではそうではないのでしょう。
ネットコンテンツとしての復活も視野
この“復活”は単純な地上波での放送に限りません。CSや動画配信サービスなどの有料番組、あるいは公式YouTubeチャンネルのコンテンツなどで復活させる可能性が視野に入っていて、総合的に「収益化が見込めるものか」を見ているのです。
たとえば9月終了のバラエティも、「地上波での復活はありえるのか」という観点だけではありません。「動画配信サービスやYouTubeでの可能性はあるのか」という視点も含めて、最終話放送後のネット上を注視しているのです。
以前のようなCMでの広告収入を得ることが難しくなる中、民放各局は視聴率に基づくビジネスだけでなく、「どうやって収入を得ていくか」というマネタイズを考えるようになりました。これまで以上に「バラエティは自局の財産であることを意識し、それをどう生かして収益に変えていくか」を意識しているのです。
それ以外の理由として最後にもう1つ挙げておきたいのは、昨春に行われた視聴率調査リニューアルの反動。リニューアルによって、これまでの「どれだけの世帯が見ているか」(世帯視聴率)ではなく「どんな人が何人見ているか」(個人視聴率)がわかるようになり、民放各局は「主に10~40代向けの番組を制作する」という戦略にガラッと変わりました。