これからの季節、丸山さんは「山歩き」に注目する。
「紅葉シーズンに加えて、参加者が密になりにくい山歩きのツアーは高齢者を中心に人気が出るでしょう。日光や高尾山など、コロナ前から人気の山歩きスポットが特に注目されます。
行楽地にバスで移動して、まつたけや栗など秋の味覚を楽しむ日帰りのツアーも人気が出そうです。バスツアーは感染リスクを避けるため、ワクチン接種者限定でお得なプランが提供される可能性があります」
ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが注目するのは「温泉」だ。
「温泉であれば同居している家族だけで食事なども楽しめ、感染対策との両立にも取り組みやすそうですね。
関東なら草津温泉(群馬)、関西なら有馬温泉(兵庫)といった老舗の有名温泉は安心感があって人気が根強い。集客のためワクチン接種割引をする旅館なども出てきています」
お得なのは有名観光地ばかりではない。地域住民限定のキャンペーンも花盛りだ。
鳥取県米子市は、米子市民を含む4人以内のグループなどが市内の対象施設で宿泊すると、宿泊料金が50%引き(上限1人3000円)される「米子に泊まろう!宿泊応援キャンペーン」を実施(12月18日まで)。また鳥取県は、県民が県内の対象施設を利用した場合、宿泊・観光料金が半額となる「We Love山陰キャンペーン」を行っている(10月31日まで)。
2つのキャンペーンは併用できるところがミソ。たとえば米子市民が市内で宿泊料金1万円の施設を利用する場合、先に「米子キャンペーン」が適用されて上限の3000円が割り引かれ、残金の7000円から「山陰キャンペーン」の3500円が割り引かれる。実際の支払額は3500円で、実に65%引きという「価格破壊」が起こる。
群馬県は、ワクチン接種した20~40才(来年3月31日時点)の県民に県内宿泊券5万円分などが当たる抽選を実施中(10月31日まで)。そうしたキャンペーンの有無は地域によって異なるので、住まいの自治体のホームページなどをチェックしてほしい。
旅行代理店もオリジナルの割引を用意する。
「たとえば『ビッグホリデー』は、羽田発着の北海道・沖縄・九州・四国ツアーの一部商品でワクチン接種者の旅行代金を5000円割引きます。交通費単体より宿泊付きツアーの方が安いこともあります。
ワクチン接種者を対象に10~20%程度の割引をする宿泊施設が検索できるサイトもある。『じゃらん』や『dトラベル』などは、割引を検索条件に追加できたり、特設ページを作っていたりします」(風呂内さん)
年末年始の帰省も、工夫次第で節約できる。