rTMS療法は2019年6月に保険収載された。週5日6週間までは薬物抵抗性うつ病の急性期治療に限り、使用を承認。それでも、うつ病は再燃・再発しやすいので、予防のための維持療法の確立が求められている。そこで鬼頭医師のグループは急性期rTMS治療を実施した患者に対し、継続して治療を行ない、維持療法の効果を検証した。
「予備的な研究として6週間の急性期治療に反応、寛解した患者に12か月間の維持rTMS療法を実施したところ、12か月後も寛解を維持。その結果を受け、rTMS療法をうつ病の維持療法としても提供できるよう先進医療による臨床試験を計画しています」(鬼頭部長)
先進医療の臨床試験では維持療法を行なう群と行なわない群に分け、その有効性を比較検証する。試験開始は2022年春の予定だ。
取材・文/岩城レイ子
※週刊ポスト2021年10月15・22日号