スポーツ

白鵬の断髪式・引退相撲 順番待ちが長蛇の列で開催は3年後か

白鵬(時事通信フォト)

引退した白鵬。断髪式はいつになるか(時事通信フォト)

 引退して間垣親方を襲名した第69代横綱・白鵬。「相撲普及部」へ配属され、11月の九州場所では相撲協会の青ジャンパーを着て場内警備にあたる予定だ。その頭にはまだマゲが乗っている“チョンマゲ親方”となる。実は、コロナ禍の影響によって断髪式・引退相撲ができない引退力士が続出し、協会はいまチョンマゲ親方だらけなのだ。本来なら数々の史上最多記録を更新した横綱の断髪式・引退相撲は大イベントとなるはずだが、それがいつになるのか、目途すら立っていない。

 9月の秋場所でも、打ち出し後には警備にあたる若手親方たちが土俵周りに集まってくるが、その多くの頭にはマゲがついたまま。チョンマゲ親方の数は、白鵬の引退で13人となった。

「幕内通算30場所以上の引退力士は国技館で引退相撲と断髪式を行なうことができる。これまで東京での本場所(1月、5月、9月)後の土日に開催されてきたが、コロナにより本場所が無観客や人数制限下での開催となったことで中止や延期が相次いでいる」(相撲担当記者)

 秋場所中、国技館内には来年1月30日に開催される元関脇・栃煌山(清見潟親方)の断髪式と引退相撲のポスターが張り出されていた。今年5月の夏場所後に開催する予定だったが、コロナ禍によって延期となっていた。2019年7月に引退した元関脇・安美錦(安治川親方)は当初、2020年10月に予定していた断髪式と引退相撲が一度は今年5月30日に延期され、さらに来年5月29日へ再延期となった。

 元・栃煌山と元・安美錦については、延期になったとはいえ開催予定が告知されている状況だが、元横綱・鶴竜(鶴竜親方)、元大関・琴奨菊(秀ノ山親方)、元大関・豪栄道(武隈親方)、元関脇・豊ノ島(井筒親方)、元関脇・嘉風(中村親方)ら多くのチョンマゲ親方たちは予定さえ組めないでいる。

「10月2日には、今年4月に引退した元関脇・琴勇輝(君ヶ浜親方)の断髪式が国技館で行なわれた。ただし、これはかなり規模を縮小したイベントで、花相撲や初っ切りなど1日がかりで行なう引退相撲はなし。無観客開催で、出席したのはハサミを入れた250人のみだった。

 こうした無観客で断髪式だけの形式ならすぐに協会の許可が出るが、問題はもらえる祝儀が“激減”すること。観客を入れられれば、定員の半分でもチケット代(桝席は2人で1万9000~3万円、椅子席は1人4000~9500円=元栃煌山の引退相撲の場合)の収益があり、数千万円の実入りとなる。もちろんコロナ禍では断髪式・引退相撲と別に襲名パーティをするわけにはいかない。年寄名跡の入手に際して借金をしている親方も少なくなく、なんとか国技館に満員1万人を入れての引退相撲をやりたい。本場所を5000人の観客制限でやっている状況下では、断髪式や引退相撲のスケジュールを決めないで状況を見るのは当然です」(若手親方)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン