ライフ

危険な薬の飲み合わせ 「薬局ヒヤリ・ハット」に報告された併用禁忌事例

危険な組み合わせで薬が処方された事例も…(イメージ)

危険な組み合わせで薬が処方された事例も…(イメージ)

 健康のために飲んでいた薬が、飲み合わせによっては“死を招く”リスクになる。「そんな薬が処方されるワケがない」──そう思うかもしれないが、製薬会社が「併用禁忌」とした危険な飲み合わせが、医師の“うっかり”によって処方されているのだ。

 そうした事例を集めたのが、「薬局ヒヤリ・ハット事例」だ。同事例をまとめた日本医療機能評価機構の医療事故防止事業部担当者が説明する。

「調剤に関するヒヤリ・ハット事例、処方医への疑義照会や情報提供に関する事例などを対象に、全国4万超の薬局から報告されたものです。薬剤師が併用注意、併用禁忌に当たる飲み合わせを検討した結果、患者さんの健康被害を防ぐことができた事例が多数あります」

 実は薬の飲み合わせのリスクに対する意識が高まったのは、それほど昔のことではない。内科医の谷本哲也氏(ナビタスクリニック川崎)がいう。

「薬の飲み合わせで患者が時に死に至ることを世に知らしめるきっかけとなったのは、1993年にある抗ウイルス薬と、抗がん剤を一緒に飲んだ人が相次いで亡くなった有名な薬害事件が起きたことです」

 現在、多くの人が服用する生活習慣病の治療薬にも「併用禁忌」が存在する。実際危険な組み合わせで処方された事例について、「薬局ヒヤリ・ハット事例」から紹介していく。

「すでに服用していた」事例も

 降圧剤(ループ利尿薬のアゾセミド)を服用中の80代男性(別掲の事例1参照)が、別の病院で併用禁忌の夜間頻尿治療薬(デスモプレシン酢酸塩水和物)を追加処方されたケース。

「ヒヤリ・ハット事例」には、男性が薬局で説明を聞こうとせず急かしたため、〈投薬時に薬歴情報で確認する併用禁忌情報をきちんと見ることができなかった〉と書かれている。医師に問い合わせ、夜間頻尿治療薬が処方中止になったので男性宅まで回収に行ったが、すでに服用後だったという。幸いなことに男性に服用の影響はなかった。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン