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2021.10.13 07:00  SUUMOジャーナル

空き巣の侵入防止、「道路からの見えやすさ」「窓ガラス」「窓とシャッター」がポイントに。

(写真/PIXTA)

旭化成ホームズのくらしノベーション研究所では、自社が提供した一戸建ての開口部などの修理記録を元に、過去15年間の侵入被害についての調査結果をまとめた。その結果を見ると、地域によって侵入経路に違いがあることや、省エネガラスの普及などで侵入手口が変化したことなどが分かった。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
くらしノベーション研究所調査報告「戸建て住宅侵入被害15年間調査」

コロナ禍の留守宅の減少で、住宅への侵入窃盗は大きく減少同社によると、コロナ禍でステイホームが広がり、留守になる住宅が減ったことから、空き巣狙いなどの侵入窃盗の被害が大きく減少しているという。ただし、住宅への侵入窃盗は年々減少傾向にあるものの、オートロックやピッキング対策錠が普及してきたマンションに比べて、ポストコロナにおける一戸建ての侵入窃盗のリスクは高いと考えられる。

同社では「道路との関係」「窓ガラス」「窓とシャッター」について、侵入窃盗被害の傾向を分析している。それぞれについて、具体的に見ていこう。

「東京・神奈川」と「関西圏」「中部圏」で侵入経路に違いまずは、建物と道路との関係性について見ていこう。一戸建ての場合は、前面は道路に面し、三方は他の住宅に囲まれている形状が多い。道路から見て建物の裏側や建物の側面の奥側は、道路から見えづらい「ケアゾーン」となる。

調査結果を見ると、以前は道路の奥側のケアゾーンの侵入が圧倒的に多かったが、近年はケアゾーンの侵入が大きく減っている。同社は、下記のような「ディフェンスライン」で道路から見えやすく、侵入を防ぐプランを提案しており、そうした効果が考えられるとしている。

ゾーンディフェンス概念図(出典/旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所「戸建て住宅侵入被害15年間調査」より転載)

興味深いのは、「東京・神奈川」と比べると、「関西圏」では建物側面からの侵入被害が増え、「中部圏」に至っては、正面からの侵入被害も格段に増えることだ。この地域による違いの要因はいくつかある。まず、「東京・神奈川」の都市部は密集市街地が多く、通行人の視線による防犯効果も高い。東京・神奈川よりも道路幅や敷地に余裕が生じる地域では、建物側面の中央付近からの侵入が多くなることが挙げられる。

また、車社会の中部圏では、犯罪者が車で乗り付けて、道路に近い場所で犯行に及び、車で逃走するという事例が多発していたことが挙げられる。そうなると、道路側から建物奥に向かって照明を当てて側面を明るくしたり、カーポートより前で侵入を防ぐなどの手立てを考える必要があるという。

防犯ガラスはガラス破りに効果あり!?サッシや窓から侵入する場合、ガラスを割って侵入することが多い。近年は省エネ性の高い複層ガラスなどが普及し、ガラスが単層(1枚)の普通ガラスより防犯性も高くなる。

下記を見ると、普通ガラスの場合は「ガラス割り」で侵入する事例が多いが、防犯性の高いガラスの場合はガラスを割らずにサッシ自体をこじ開ける「こじ開け」事例の比率が高いことが分かる。ガラス割りに時間のかかる防犯ガラスでは、サッシをこじ開ける手口へと転換しているわけだ。

また、人が通れる幅ではない細い窓(スリット窓)や地盤面から2mを超える高さの窓(高窓)からの侵入が少ないことから、スリット窓と高窓の防犯対策が有効なことも分かったという。

グラフの横軸は被害時期(例:2006年~2010年)を示している(出典/旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所「戸建て住宅侵入被害15年間調査」より転載)

窓を開けたままに注意!面格子付きの窓でも油断は禁物一戸建ての特徴に「勝手口」が挙げられる。この勝手口のドアも狙われる対象だ。特に、格子付きの上げ下げ窓が開いている「無施錠」の状態での被害が多いという。

(出典/旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所「戸建て住宅侵入被害15年間調査」より転載)

また、「面格子」のある窓はない窓に比べて侵入リスクが低いが、面格子のある浴室の窓が開いている状態での侵入が多かった。浴室は湿気が気になるので窓を開けておき、浴室の窓くらいならとそのまま外出してしまう場合も多いのだろう。防犯の最大の対策は居住者側の「施錠」という基本的な防犯行動だということがよくわかる結果だ。

また、一戸建ての窓は「シャッター」付きのものも多い。シャッター付きの窓では、圧倒的にシャッターが開いていた状態での侵入被害が多い。同社では、空き巣は夕方から夜に犯行が多いと言われているので、昼間にシャッターを開けたまま外出し、夜になって照明がついていないことで留守だとわかる状態になることが要因だと見ている。

(出典/旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所「戸建て住宅侵入被害15年間調査」より転載)

侵入窃盗の被害に遭わないためには、住宅の設計や設備などを防犯という観点で検討することに加え、カギをかけたりシャッターを閉めたりといった、基本的な防犯行動が最も重要だということが分かる報告書だった。マイホームで空き巣などの侵入窃盗被害を受けたら、金銭的なものだけでなく、精神的にも大きなダメージを受ける。被害を受けてからでは遅いので、マイホームの防犯については常に意識したいものだ。

(山本 久美子)

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