とはいえ、すべての子役出身者が2人のように人気が持続するわけではない。むしろこのことは、彼らが希有な存在であることの表われだと、芸能ジャーナリストは言う。
「たいていの子役出身者は、早熟であるがゆえにだんだん演技が鼻につくようになっていき、新鮮さがなくなり役がつかなくなりがちです。ところがこの2人の場合、いつまでもその鮮度が失われない。
2人とも自然体の演技を心掛けているのに加え、井上さんであれば映画『八日目の蝉』(2011年)で演じた暗い影を背負ったヒロイン、柳楽さんであれば映画『今日から俺は!!劇場版』で演じた狂暴な敵役というように、従来のイメージとは違った役にもチャレンジしていくことで演技の幅を広げてきた。そうして“子役上がり”から脱皮した上で、今回原点回帰した役に挑んでいるからこそ、支持されているのかもしれません」
2人の存在はドラマで共演する塾生役の子役たちにも影響を与えているという。
「ドラマには市川海老蔵さんの娘である市川ぼたんさんを始め、これが本格的なドラマデビューになる子たちが多い。みな、子役出身で活躍を続ける2人に憧れを抱き、彼らの演技から学んでいるそうです」(同前)
このドラマから次世代の井上、柳楽が生まれるかもしれない。