ユニクロ制服が関心を集める理由

 ユニクロ制服が大衆の関心を集めたのは、ブランド知名度の高さもさることながら、「制服の購入にかかる初回の費用は、約3分の1の価格に抑えられる」という点にあるでしょう。

 世間には根強く「ランドセル廃止論」や「制服廃止論」があります。その最大の理由は購入費用の高さにあります。今回のニュースを受けて、顔見知りである学生服販売店の社長にも意見を聞いたところ、学生服のメリットとデメリットがあることを再認識しました。

 この学生服販売店の社長が指摘する最大の問題点は、「学生服が年々10%ずつくらい値上がりし続けているところにある」と言います。

 現在の学生服の相場は、1セット5万円ほどですが、これが10%値上がりすると5万5000円ということになります。5000円の値上がり額は相当に大きいと言わねばなりませんし、世間の物価上昇と合わせても値上げ幅は大きいといえます。

私服通学のデメリット

 その一方でメリットも存在します。公立学校においては制服を着用することであからさまな貧富の差が見えにくくなることです。完全なカジュアルウェアのみとなると、年柄年中「全身しまむら」「全身ジーユー」みたいな子供と「全身ブランド品」という子供が自ずと現れます。

 また、毎日違う服を着る必要はありませんが、毎日「着替えている」という体裁は必要で、真夏に3日間同じ服を着ていたら、それこそ不潔とからかわれる事態も生じかねません。制服ならこのどちらも防ぐことができます。

 もっとも、登校ギリギリまで寝ていたいという学生は、コーディネートに悩む手間を省くこともできます。毎日着ていく服に悩む生活を続けている学生や社会人にとっては、制服やスーツがいかに便利かということを痛切に感じているでしょう。

「学生服の費用が高すぎる」という意見に対しても、年間でカジュアルウェアを買い揃えることを考えれば、実際のところはそれほど大差がないのではないでしょうか。

 初期導入費用が高騰し続けることを防げるのであれば、学生服は廃止しないほうがいいのではないかというのが筆者の個人的な見解です。

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