この話は、最近大きな話題になった「ロスジェネ単身女性の老後は半数以上が生活保護レベル」という報道(朝日新聞デジタル)を想起させる。結婚は愛や幸せの問題以上に、「生活」の問題になりつつあることを、勝倉さんも指摘する。
「今後は生きていくための結婚、セーフティーネットとしての結婚の重要性が増していくのかなと思いますし、そうなることで、もっとシンプルに結婚できるようになるのではないかとも思います。結婚は恋愛の延長線上にあるもの、という恋愛神話は根強いですが、恋愛結婚って、たかだかここ50、60年の歴史です。それ以前の結婚は、家のつながりとか、生活基盤としての意味合いが強かったわけですよね。経済的に余裕があればこそ、恋愛という、生きていくことは別の価値に比重を置いた結婚ができますが、余裕がなくなってくると、昔に回帰していくような気もします。
実際、今の若い世代は現実的で、若いうちに遊んでおこうという考えは減っていて、私の相談所にも20代が多くいらっしゃいます。30代、40代のほうが、夢見がちですね」
マッチングサービスが多様化するように、何のために結婚するのか、その根本も変化しつつある。