スポーツ

広岡達朗氏、原監督への疑問「なぜ中田翔を戦力として獲得したのか」

中田翔の無償トレードで獲得は大きな波紋を呼んだ(時事通信フォト)

中田翔の無償トレードで獲得は大きな波紋を呼んだ(時事通信フォト)

 巨人が終盤に大失速し、3連覇が消えたことで、原辰徳監督の采配への疑問符が沸き立っている──。首位争いを繰り広げていた8月、日本ハムで暴行事件を起こした中田翔を無償トレードで獲得した一件も大きな波紋を呼んだ。原監督は「才能ある野球人」「チームの中心選手と同世代は好材料」と言い、自らの判断で、リーグ3連覇の戦力として中田を獲得したことを明かしたが、思惑は外れた。中田の状態は最後まで上向かず、1割5分4厘、3本塁打と期待を大きく裏切り、チームも加入以降、下降線を辿った。

 V9戦士で、引退後は万年Bクラスだったヤクルトと西武を常勝球団に変え、日本一に3回導いた広岡達朗氏は「中田を批判するわけではない」と前置きして、原監督に問いかける。

「中田をなぜ戦力として獲得したのか。これが問題です。巨人のファームには素質のある若い選手が集まっている。彼らは入団した時はやる気満々だが、こんな戦力補強を繰り返していれば気持ちが折れてしまう。中田を獲る前に二軍の選手を一人前のレギュラーに育てるべきですよ。毎年のようにFA、新外国人、メジャー帰りの選手たちを獲っていては、ファームの選手には夢も希望もなくなる。人の気持ちはそんなものです。原監督は選手の気持ちを分かっているのか」

 2006年からの原2次政権は「育成の巨人」と呼ばれた。坂本をレギュラーに固定し、松本哲也ら育成選手を含めた生え抜きがチームの主力になった。

 だが、今の巨人の野手を見渡すと、生え抜きのレギュラーと呼べるのは坂本、岡本和真、松原聖弥のみ。若手に残されたポジションは少ない。

「チームというのはいい選手が引退して穴が空けば、若手がやる気を出して下からはい上がってくる。それがチームの若返りであり、強い組織なんです。一軍の主力が今年のような低い成績なら、ファームで結果を残している中山(礼都)や秋広(優人)が一軍で起用されないのはおかしい。

 原監督のチーム作りはオールスターや侍ジャパンの監督がやる手法です。いい選手を集めて、活躍しなければ別の選手に代えるだけ。これでは若手がいつまでも育たないし、強さが持続するチーム作りはできません」(広岡氏)

※週刊ポスト2021年11月12日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン