薬とも併用できる
満岡医師が続ける。
「ホルモン注射は打った後2~3日すると朝勃ちを感じるなど、大きな効果を実感できます。また朝起きた時、以前のように意欲が湧いたと喜ぶ89歳の患者さんもいらっしゃいます。
一方で、日本で一般的に利用される男性ホルモン配合の軟膏は有効成分が1%しか配合されず、注射に比べて効き目はマイルドです。このため当院では医師の管理のもと、欧米で一般的な有効成分5~10%程度の輸入軟膏を処方しています」(同前)
ホルモン注射、軟膏ともに注意点がある。
「注射の場合、外部から高濃度のテストステロンを与えることで睾丸が委縮し、精子をつくる能力が落ちる怖れがあります。子供が欲しい人は、他の治療法を選択すべきです。軟膏の場合、使用直後に何らかの形で女性の体内に成分が入ると、その女性のホルモンバランスが崩れて心身の不調を催すことがあります」(同前)
ホルモン注射は保険適用の場合、費用は1回数千円だが、軟膏は保険適用がなく、ひと月分で2万~3万円ほどかかる。
「軟膏は効果がマイルドだが一定の濃度が保ちやすく、自宅で利用できるメリットもあります。まず軟膏を使って効果が出なければ、注射することをお勧めします。また両方ともED治療薬と併用できます。治療薬だけでは効果がなかった人は併用を考えてもよいでしょう」(同前)
自分に最適の治療法を見つけたい。
※週刊ポスト2021年11月12日号