疲労回復や老化防止など、さまざまな健康効果を期待して摂取されるコエンザイムQ10は、降圧剤との併用で血圧が過度に低下する恐れがある。ゴマに多く含まれる酵素で人気サプリのひとつであるセサミン。老化予防のために飲んでいる人が多いが、こちらも同様に降圧剤との飲み合わせには注意が必要だ。銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘氏が語る。
「セサミンには血圧を下げる効果が期待されますが、降圧剤と併用すると過度に血圧が下がりすぎてしまいめまいやふらつきなどの原因になる可能性があります」
関節痛などに悩む人が症状緩和を期待して摂取するグルコサミンには、抗凝固薬(ワルファリン)との併用で出血のリスクがある。
「グルコサミンはワルファリン製剤との併用で薬の作用が強まり出血のリスクが高まると報告されています。また、EPAやイチョウを含むサプリと抜凝固薬を併用すると胃潰瘍や脳出血による小さな出血でも血が止まらなくなるリスクが高まります。特に手術時にサプリの摂取状況について医師らに伝えないと、血が止まりにくくなり命に関わることがあります」(医薬情報研究所エス・アイ・シー取締役で薬剤師の堀美智子氏)
誰もが手軽に購入できるサプリだけに、医師への相談はこまめにしたい。
※週刊ポスト2021年11月12日号