スポーツ

蛯名正義氏 調教師試験合格に向けて仲間と一緒に頑張った勉強会

52歳の新人調教師として再スタートする蛯名正義氏

52歳の新人調教師として再スタートする蛯名正義氏

 1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝を初め、国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビジョー厩舎』から、今回は調教師試験を目指して仲間と開いた勉強会の思い出についてお届けする。

 * * *
 1年目の調教師試験に1次で落ちた時、こりゃあなんとかしないといけないと思いました。

 それで、僕と同じように調教師試験を受けようとしている、西田雄一郎騎手、村田一誠騎手に声をかけて、勉強会をすることにしたんです。

 調教師を目指している元ジョッキーの調教助手も含めて8人ほどでジョッキールームや調整ルームを借りて、厩舎作業が終わった夕方5時から9時ぐらいまで集まることにしました。終わってからの飲み会はありません(笑)。

 誰かが指導するというのではなく、みんなで「これ分からないんだけど」っていう疑問を集め合って、分かる人がこれはこうだと教え合う。

 一人でやるというのはどうしても大変。今日はこれくらいでいいかなって、折れちゃいそうになるけれど、仲間がやっているなら、僕もやるしかないなという気になる。自分が相手に教えられれば、また覚えられるし、相乗効果で頑張ることができた。もちろんみんな一緒に合格すればいいけれど、そうじゃなくても合格した人がその経験を残っているみんなに伝えてくれればいいと思っていました。

 筆記試験はパワハラやセクハラといった新しい知識も必要になってきますが、とにかく覚えるしかない。過去の問題だけではなく、新しい問題についても話し合いました。

 2次の面談試験では調教師になって馬主さんと話をする時、たとえば馬主さんにこういう質問をされた時にどう説明するのかといったことを訊かれます。こちらが答えると、さらに反論するようにたたみかけられる。藤沢和雄先生からは、専門的な言い方で説明するのではなく、分かりやすく説明するようにと教えられました。

 厩舎経営というのは個人商店主みたいなものなので、いろいろなことが起こる。それにどう対応するかという、勉強よりも人間性を見るようなところがあるかもしれません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン