コロナ禍で見えた2時間ドラマの必要性
――たとえば十津川警部シリーズは三橋達也さんや若林豪さん、渡瀬恒彦さんなど、局の垣根を超えて制作されているのが印象的です。そして今回月曜プレミア8でも船越英一郎さん主演で十津川警部を放送されますよね。その理由は?
中川:この月曜プレミア8では新作もですが王道は外せないと思いました。歴代の名優が愛した作品ですし、そのバトンを2時間ドラマの“顔”である船越さんに受け取っていただきたいと思い、打診しました。
濱谷:ちょうどコロナ禍にスタートしました。連ドラの新作が次々と休止するなか、テレ東ではギリギリ撮影を終えてストックしていた2時間ドラマがコンスタントに見られる、と好反響をいただき、うれしかったですね。
浅野:このコロナ禍で、当たり前に享受していたものがそうじゃないんだということがわかり、エンタメの重要さを痛感したかたもいらっしゃると思うんです。だからこそいま昔から慣れ親しんだ2時間ドラマで気持ちに潤いをもたらすことが必要かなと。
濱谷:とくに船越さん主演の十津川シリーズの見所は、最後に主人公が犯人にかける言葉。事件だから闇を描かざるを得ないけど、最後は光を見て終わりたい。ラストシーンを見てまた見たいと思っていただけるよう腐心しています。
加えて今回はコロナ禍で遠方ロケが難しい時期だったので、頭を悩ませましたね。十津川シリーズは旅情ミステリーの代表格でもあるんですが、旅情をはぶいてもどうやったら楽しんでもらえるか、と。