国内

鉄道内での殺傷事件が頻発 新幹線のどの座席を指定すれば助かるか

2018年に新幹線車両内で実施された乗務員や警備員らによる不審者対応訓練(時事通信フォト)

2018年に新幹線車両内で実施された乗務員や警備員らによる不審者対応訓練(時事通信フォト)

 今年も残すところ1か月を切った。ワクチン接種を終え、「今年こそは帰省しよう」と考えている人も多いだろう。その道中で刃物を持った凶悪犯と出くわしたら、あなたはどう動くか。予測不能な緊急事態だからこそ、瞬時の判断と行動が、命の明暗を分ける──。

 通勤や通学など、私たちの生活に欠かせない電車だが、その設備を意識したことがあるだろうか。鉄道の安全に詳しい関西大学社会安全学部教授の安部誠治さんは、乗務員に異常を知らせる「非常通報ボタン」だけは位置を確認しておくべきと語る。

「非常時にまず大切なのは、乗務員(車掌)に異変を知らせることです。JR在来線や私鉄線は列車の最後尾にしか車掌がいませんが、新幹線の場合は、中央あたりの車両に複数名の車掌が乗っています。防具となる盾なども常備されているので、新幹線なら通報によって駆けつけた車掌が対応してくれるはずです。

 車掌に異常を知らせる非常通報ボタンの位置は車両によって異なりますが、連結部のドアのところや乗降ドア付近にあるのが一般的。電車に乗ったらまず確認してほしい」

 防犯対策専門家の京師美佳さんも続ける。

「物騒な事件が発生しているため、多くの鉄道会社は運転席の近くにさすまたや催涙スプレーなどを常備し、非常通報ボタンが押されると車両を緊急停車して乗客の安全確認を行います。このボタンは急病人が出た際にも押す必要があるので、必ず位置を把握しておきたい。加えて、車内に閉じ込められても手動でドアを開けられる『非常用ドアコック』の位置も確認しておくといいでしょう」

 ただし、京王線の事件のように、乗客が非常用ドアコックを操作したことによって電車が緊急停車し、ホームに正しく停車できないことで混乱を招く恐れもある。また、ドアコックでドアが開いても走行中の電車から脱出することは危険が高すぎるため、新幹線では走行中はドアコックが操作不可能となっている。ドアコックについては、緊急アナウンスをよく聞き、慎重に扱う必要がある。

 また、防犯カメラの必要性についても正しく理解しておきたい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン