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盛り上がる民間人向け宇宙旅行ビジネス 2029年の商用化目指す日本企業も

HISとANAが出資するPDエアロスペースは航空機型のロケット開発を進める(時事通信フォト)

HISとANAが出資するPDエアロスペースは航空機型のロケット開発を進める(時事通信フォト)

 12月8日、実業家の前澤友作氏が宇宙へ出発する。向かう先は地上400kmの軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)。搭乗するのはロシアの宇宙船ソユーズで、出発地はカザフスタンのバイコヌール宇宙基地だ。

 その翌日の9日、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が設立したブルーオリジンもまた、5人の民間人が搭乗するロケットをアリゾナの射場から打ち上げる予定だ。今年7月以来、同社の有人宇宙飛行は3度目。搭乗者の1人はアメリカ人の最初の宇宙飛行士、故アラン・シェパード氏の娘で、他の4人は投資家だという。

 現在、世界では民間人向けの「宇宙旅行」ビジネスが盛り上がりをみせている。

 すでに約900人が申し込んでいるヴァージン・ギャラクティック、スペース・アドベンチャーズ、イーロン・マスク氏のスペースXといった企業が次々と存在感を示しており、高額な旅行費を出せさえすれば、「宇宙旅行」は既に身近なものになり始めているのだ。

 日本発の宇宙旅行サービスを目指すPDエアロスペースの代表・緒川修治氏は、「宇宙旅行の申し込みをした人は、既に約2万人に上ると言われています」と話す。いずれその一翼を担おうとする同社が開発しているのが、「サブオービタル」の宇宙旅行に使用する航空機型の宇宙船だ。

 人工衛星やISSの飛行は、地球を周回する「オービタル飛行」と呼ばれる。一方、地上100km程度まで上昇し、自由落下によって約5分の「無重量」を提供する形態を「サブオービタル飛行」と呼ぶ。

「我々は沖縄県の下地島空港で実証実験を行なっています。航空機型の宇宙船であれば、射場に適した土地の少ない日本でも、既存の空港を『宇宙港』として活用できます。また自然豊かで海に囲まれた『島』を出発地にすることで、地球の美しさを上空からも感じられるプランが提案できます」

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