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健康の指標となる歯ぐきは食生活で甦る 「カレーを飲むように食べる」はNG

歯ぐきの劣化を防ぐには?(イメージ)

歯ぐきの劣化を防ぐには?(イメージ)

「すっかり歯ぐきが下がっちゃったなぁ」。毎朝歯を磨く時に鏡を見て、そう感じる人は多いのではないか。厚労省の「患者調査(2014年)」によると、「自分の歯と歯ぐきの健康に自信がありますか」との問いに「自信がない」「あまり自信がない」と答えた人は51.7%。

 日本は世界有数の長寿国ながら、80歳以上の歯の平均残存本数は8本で先進国最低レベルだ。予防歯科に力を入れるスウェーデンは20本というから、その差に驚く。しかも昨年来のコロナ禍で検診離れが指摘されており、日本人の口腔内の状況はさらに悪化していることが懸念される。

 大切な歯を失う最大の要因は「歯周病」である。8020推進財団の「永久歯の抜歯原因調査報告(2018年)」によると、日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病だ。患者数は398万人(患者調査)とされるが、厚労省の「歯科疾患実態調査」(2016年)には、30代以上の3人に2人に歯周病の徴候があるというデータもある。「隠れ歯周病」患者は単純計算で約6000万人もいることになる。一体どんな病気なのか。日本歯周病学会理事長の小方頼昌氏が語る。

「歯ぐきは正確には『歯肉』といいますが、歯周病は歯肉組織に生じる病気の総称です。歯と歯肉の間には歯肉ポケットや歯周ポケットと呼ばれる溝があり、そこに細菌が蓄積するとプラーク(細菌塊)ができます。するとプラークに対する免疫反応としてまず歯肉に炎症が起きる。歯肉炎が進行すると他の組織に炎症が広がり、歯を支える『歯槽骨』が溶けてしまう」

“屋台骨”を失った歯はグラつき、最悪の場合は抜歯に至る。さらに歯周病が進行すると、歯ぐきは一層劣化する。累計13万部超の著書『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム刊)がある歯学博士で歯科医の照山裕子氏が指摘する。

「口腔は消化器官の入り口で、歯ぐきは健康のバロメーターです。歯周病が進行した歯ぐきは赤紫色に変化して、出血しやすい傾向があります。また膿が出たり、悪臭を放つという症状も出る。この状態になると歯を失うリスクの増加とともに、栄養状態が悪化します」

 歯周病とともに生じる毒性物質が全身に回ると、糖尿病や動脈硬化、心臓病など全身疾患を引き起こすとの指摘もある。万病のもととなる歯周病を防ぎ、歯ぐきを甦らせるために何をすべきか。

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