1998年、日本一を決め、抱き合って喜ぶ横浜・佐々木主浩と谷繁元信(時事通信フォト)

1998年、日本一を決め、抱き合って喜ぶ横浜・佐々木主浩と谷繁元信(時事通信フォト)

 中根は主に左投手の先発時のスタメンや代打の切り札として起用され、規定打席不足ながら打率3割1厘、得点圏打率は4割超えとマシンガン打線の一員に。前年1試合しか登板していなかった阿波野は近鉄時代の投手コーチだった権藤博監督のもとで再生し、貴重な中継ぎとして50試合に投げて4勝を挙げた。奇しくも、移籍後初勝利は荒井が桑田真澄から代打同点3ランを放った5月6日の巨人戦だった。

「9回裏に6点差を追いついて引き分けに持ち込んだ7月12日の中日戦では6番・中根が繋いで、9番に代打で登場した荒井もタイムリー。延長12回の最後は阿波野が締めています。7点差を逆転して13対12で勝利した7月15日の巨人戦では3回に荒井、7回に中根が代打でタイムリーを放っています。マジック8とした9月26日の広島戦では7回2死無走者から代打・荒井がライト前ヒットで出塁して、石井琢朗が勝ち越し2ラン。イニング跨ぎの阿波野が8回2死まで投げて、勝利投手になっています。

 1998年の横浜は、目立つ場面は主力が持っていくけど、そこに繋げるまでの控え選手がいた。このように、優勝チームは脇役が貴重な活躍をしている。この3人がいなければ、優勝まで届いたかどうか。そういう点でも、今オフ補強すべきポイントをきちんと埋めているDeNAは期待できるのではないでしょうか」

 ヤクルト、オリックスと昨年最下位のチームが優勝した今年のプロ野球。来年、DeNAがどん底から頂点に輝いてもおかしくない。

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