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カルーセル麻紀 下肢閉塞性動脈硬化症の経験で痛感した啓蒙活動の必要性

一昨年4月、脳梗塞を発症した

一昨年4月、脳梗塞で救急搬送された

 一昨年の4月、脳梗塞を発症したカルーセル麻紀(79才)。友人やマネジャーが早い段階でに異変に気づき、すぐに救急車で運ばれたことが功を奏し、発症から3日で退院。言語障害やまひといった後遺症も残らず、元の生活に戻ることができた。

 そんなカルーセル麻紀だが、脳梗塞を発症する以前から、さまざまな生活習慣病に見舞われていたという。

 脳梗塞などの脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることにより発症する。その要因として加齢によって血管が弱くなることが挙げられるのだが……。

「私の場合は遺伝的なものかなと自分で分析しています。だって、うちの家系にはがんで死んだ人はいなくて、脳卒中で命を落とすケースがほとんどなんですから。

 つまり、私は血圧やコレステロール値が高いという遺伝的要素を持っていたわけだけど、そこへお酒、たばこの悪影響が重なったんだなと思うの。若い頃は連日のように一晩中飲んでどんちゃん騒ぎをしていたし。たばこを吸い始めたのは30代に入ってからだけど、脳梗塞になるまでは1日に2箱くらい吸っていましたからね」(カルーセル麻紀・以下同)

 下肢閉塞性動脈硬化症に見舞われたのは60代後半のことだった。この病気は、心臓から出た血液が足先に流れるまでの血管が硬くなり、充分な血液が脚の筋肉や皮膚に行き渡らなくなることによって発症する病。足がつる、血管が瘤のように膨らむ、むくんだところを指で押しても凹みが戻らない、慢性的に痒みがある、青黒い血管がくもの巣のように浮き出ているなどの症状があるようなら、疑う必要がある。

「私はとにかく痛くて痛くて。近所の焼き肉店に行くのにも、壁を伝って『イタタタタ』と言いながら、ちょっと歩いてはひと休みしないと無理って感じだったんです。

 それで近所のクリニックへ行ったんです。ところが診察室でゴホンと咳をしたら、先生が肺の検査をしましょうと言い出して。『私、脚が痛いんです』って訴えたんだけど聞いちゃいない。脚の痛みに関しては漢方薬を処方してくれたけど、一向に改善しなくて……。かといって、別の病院へ行ってみようという気にもなれなくて。そのまま当時、毎年恒例だったパリでのバカンスへ出かけてしまったんです」(カルーセル・以下同)

 パリの自宅に遊びに来た友人と交わした会話が印象的だという。

「私の脚を見て、友人が笑いながら言ったんです。『なによ、そのダランとした太ももは。老化現象じゃないの?』って。咄嗟に『うるさいわよ!』って返したんだけど、そのとき思ったの。老化現象だとしたらやけに急激にきたわねって。

 だって、2011年の夏は痛みもなくて、ハイヒールを履いてモンパルナスからオペラ座までスタスタ歩いていたんだもの。なのに、1年後は痛くて歩けなかった。スニーカーに履き替えたりもしたけど、ついに一歩も歩けなくなって、あれには参ったわ」

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