芸能

笑福亭鶴光の『ANN』週にはがき6万通超え 勘違いから生まれた人気ぶり

笑福亭鶴光

11年以上ANNのパーソナリティーを務めた笑福亭鶴光

 多くの若者の心をつかみ、数々の社会現象を巻き起こしたニッポン放送のラジオ深夜番組『オールナイトニッポン』(以下『ANN』)。この怪物番組が今年、放送開始55周年を迎える。その『ANN』を象徴するパーソナリティーが、笑福亭鶴光だ。

「わんばんこ! 鶴光でおま。ええか、ええか、ええのんか〜」

 で始まる鶴光の『ANN』は1974〜1985年に放送された。11年以上もの長きにわたり、たったひとりでパーソナリティーを務めたのは鶴光だけである。

「当時25才だったぼくは初回、何を話せばいいかわからず、小話を披露したんです。当時のラジオは、標準語のパーソナリティーばかりで、上方落語の小話なんてウケません。放送終了後、プロデューサーの亀渕昭信さんから“セックスアピールが足りない”と言われました」(鶴光・以下同)

 しかしこの会話が、大きな誤解を生んだ。亀渕さんは“色気が足りない”の意味でそう言ったが、鶴光は文字通りに解釈したのだ。

「1回目がウケなかったから、はがきもほとんど来ていない。そこで2回目は、“お母ちゃん、どうしてぼくには弟や妹がいないの?”“あんたが早く寝ないからだよ”とか、セックス小話をしたの」

 ところがこれが、当時の若者のハートをつかんだ。

「翌週から怒濤のようにはがきが来て、同時にPTAからお叱りの投書も来た。学校から生徒たちに“鶴光の番組は聴くな”と言い渡されたそうです。でも禁止されると、聴きたくなるものでしょ」

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